みなさんは占いを信じますか?タロットに血液型に水晶に姓名判断・・・この世には様々な占いがあり、信じるか信じないかは人それぞれですが、人類は古くから占いを重宝してきました。
実はFXの世界にも、「金融占星術」と呼ばれる手法があるのです。
「お金の動かし方を占いに頼るなんて」と思うことなかれ。実は金融占星術が重宝される背景には、テクニカルやファンダメンタルズにも通じる相場の真理が隠されているのです。
天体の動きによって相場を占う金融占星術
それでは、金融占星術についてもう少し詳しくお話ししましょう。金融占星術は、単に占星術を表す単語であるアストロロジー、アストロなどと呼ばれることもあります。
火星、金星、月などの位置関係から状況を判断し、「今は相場が上下に動きやすい」「○日からはドル買いが進みやすい」などと予測するわけです。金融占星術を全て理解するのは容易なことではありませんが、いくつか有名なパターンがあります。
一つが「月の満ち欠け」です。これは満月、新月の日を相場の転換点とする考え方であり、「満月のドル買い」(逆のことを言われる方もいますが)のように言われます。
もう一つ有名なのが、「水星の逆行」です。この期間は明確なトレンドこそ発生しないものの、上下に大きく動く期間だとされます。
他にも様々なパターンがあり、その動きを元に相場を考える人が一定数いらっしゃいます。
金融占星術は統計学である
ここまで読んだところで、「星の動きが相場に影響を与える訳がない!」とお思いになった方も多いのではないでしょうか。元々占いの類は信用しない私も、最初に金融占星術を知った時には全く同じ感想を抱きました。
しかし、金融占星術についてよく調べてみると、占いというよりは「統計」という側面が見えてきたのです。先ほど挙げた「水星の逆行」を例に取ると、「水星の逆行の時期は大きなレンジ相場になっている傾向が強い」ということですね。
占いというとやや非現実的な雰囲気もしますが、統計と言われると説得力が増すように思いませんか?
基本はテクニカル分析と変わらない
では、なぜ天体の動きによって統計的に意味のある相場分析が可能なのでしょうか。実はこれ、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析と同じことなのです。
それは、「○○を材料にしてこう動くと思っている人が多いからその通り動く」ということです。
例えばテクニカル分析で重要視されている、「200日移動平均線」があります。
「この線を上回ったら買い目線、下回ったら売り目線」というように使われるのですが、実際2015年8月24日の「チャイナショック」の日には、ドル円がこの200日移動平均線を下回ったあたりから下げが加速しました。
なぜでしょうか。それは、多くの人が「200日線を下回ったら売り」という考えのもと動いたからです。より多くの人が意識する判断基準ほど、相場では大きな意味を持ってくるのです。
極端な話、「首相のネクタイが赤だったらドル円買い」のような一見何の関係もない基準であっても、それを信じて動く人が多ければそのように動いてしまうのです。
逆に、「これまでにない画期的なテクニカル分析を開発しました!」と誰かがアピールしても、それを信用して取引してくれる人が増えない限り、有効な手法とはなりません。
信じる人が多ければ相場は動く
このように、相場で大事なのは「それを信じて動く人が多いか少ないか」なのです。
そして、より多くの人に信じてもらうには、説得力のある「根拠」が必要です。「星の動きで相場を判断するなんて」との考えを持つのはもっともですが、実際にそれを信じて動く人が多いがために、金融占星術はトレーダーに人気の手法として確立しているのです。
「占星術」という名前ではありますが、実際は統計であるという側面を理解し、金融占星術と向き合うのが正しい姿勢でしょう。
トレードに疲れた夜、そんなことを考えながら夜空を見上げるのもいいかもしれませんね。