投資の手法を代表する株式投資とFX。どちらが自分の投資スタイルに合っているのか?迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回の記事では株式投資とFXの仕組み、メリット、デメリットについて、2つの投資手法を比較してみます。
株価の安い時に購入し、高い時に売却する株式投資って何?
株式投資を行うということは、簡単にいえば「会社の株主になる」ということになります。
株主から調達した資金をもとに、会社は経営活動を行います。会社は銀行からの借入れとは異なり、株主から調達した資金を返済する義務がありません。
したがって、万が一、会社が倒産した場合は、株の価値はゼロになる可能性があります。よって、株主には、株主総会で発言できる発言権があります。そのため、株主は、会社経営に影響を及ぼす立場に立つことになるのです。
株式投資を行うには、証券会社の証券口座を開設する必要があります。株式投資は、証券会社を通じて、株の売買を行います。よって、株式の売買を行う際は証券会社に払う仲介料、つまり売買手数料がかかってきます。
株の売買は、インターネット取引が当然の時代となっていますが、売買手数料に関して、各証券会社ともに、できるだけ安い手数料で売買できるよう、競争の状況となっているのが現状です。
株式投資は、基本的な投資手段として株価の安い時に株式を購入し、株価に高い時に株式を売却することで、儲けを出していきます。よって、株式の購入と売却のタイミングを見極めていくことがポイントになります。
株式投資のメリットとデメリット
株式投資では、いかに株価が割安の時に購入するかがポイントです。バーゲン品をみつける時の感覚に近いです。株価の割安度を示す指標としては「PER」があります。このPERは、会社の四季報や有価証券報告書に記載されているので、参考にするとよいでしょう。
また、株価がずっと上がり続けることは稀です。よって、ある程度、株価が上昇したら、売却して、利益を確定したほうがよいでしょう。
そして、株式投資を行うメリットは、年に2回程度、配当金を貰えるということです。配当金は、株主総会により,決定します。1株あたりの配当金も、会社の四季報や有価証券報告書に記載されています。
次に株式投資のデメリットについて述べていきたいと思います。何と言っても一番は「株価が値下がりすることによるリスク」です。株価は、会社の業績や会社の不祥事などにダイレクトに反応をします。
例えば、2006年に1月16日に起こった「ライブドアショック」はその最たる例であり、東京地検特捜部がライブドアの本社に強制捜査を行ったことで、株価は大暴落し連日ストップ安をつけることになりました。
昨日まで順調だった株価が、翌日に大暴落する可能性を秘めているところが株式投資の怖さです。
株式投資にはないFX取引のしくみ
FXとは、正式名称を「外国為替証拠金取引」といいます。為替の変動により儲けを出すのが目的の取引です。他にも外貨預金などでも、儲けを出すことはできますが、FXの場合、少額の資金で取引を行う事ができるのが特徴です。
なぜならばFX取引には「レバレッジ」というものあるからです。現在、国内のFXの会社では、レバレッジが最高で25倍となっていますが、このレバレッジの仕組みは、株式投資にはないもので、FX投資の最大の特徴であるといえます。
例えば、レバレッジの仕組みを利用すれば10万円の資金があったとして、最高で10万円×25倍=250万円の取引が可能になります。つまり少ない資金で大きなお金を動かす事ができるのです。
株式投資と違い、FX取引を行う際には、実質、手数料になるスプレッド(売りと買いの価格差)がかかります。このスプレッドは、FXの会社により異なりますが、なるべくスプレッドの低いFX会社を選ぶ事がポイントになります。
また、日本人の場合はドルと円の組み合わせが多いですが、ドルとユーロ、ドルとランド(南アフリカ)などの組み合わせで取引を行う事が可能です。この組み合わせを通貨ペアといいいます。
この通貨ペアもFX会社により、異なります。株式投資が多くの銘柄があるように、FX取引では多くの通貨ペアを選択できるということです。
株式投資にはないFXのメリットとデメリット
FXで儲けを出すには「為替差益」を出す方法と「スワップ金利」を得るという2つの方法があります。
為替差益を狙うトレードでは、例えば1ドル100円の時に1,000ドル購入して、1ドル120円に時に、ドルを円に換えたら、1,000ドル×(120円-100円)=2万円の儲けになり、レバレッジを10倍にしていたら、2万円×10倍=20万円の儲けとなります。
スワップ金利は2国間の金利の違いを利用して、金利収入を得る方法です。
日本の金利が0.1%ですが、仮に南アフリカのランドを1万通貨購入したとします。南アフリカのランドの金利は、現在のところ「5.5%」です。
この場合、スワップ金利としては、1万通貨×(5.5%-0.1%)=540ランドで、1ランド10円として540ランド×10円=5400円が得られます。
株式投資を行うには、ある程度、まとまった資金が必要になってきます。しかし、FX取引の場合、レバレッジを利用できるので、1万円以下の資金で取引を行うことができます。
また、株式投資は取引を行う時間が9時から15時までですが、FXでは1日24時間の取引が可能です。
さらに、株式投資の場合、基本、買いが先で、売りが後になります。信用取引という制度を利用することで、逆に、売りが先で、後から買い戻すことで、儲けを出すことが出来ますが、制限がかかります。
しかし、FX取引は、先物取引であるため、買いと売りの注文を容易く入れることができるのです。
まとめ
FXは、株式投資と比較して、資金が少なくてもはじめやすく、投資としては取り組みやすい特徴があります。ただし、レバレッジの特徴から、大幅な損失が出るリスクがあります。
リスクとリターンのバランスを考えて、計画的に投資を行う事が重要になってきます。