中国人民元の切り下げの意味について・・第2回目の記事です。
第1回目はこちら ⇒ 中国人民元の切り下げの意味@初心者にもわかりやすく解説
さて、中国という国は私たちが育ってきた日本と全く違う国ということは理解できましたでしょうか?
そもそも「同じシステム」と心の根底に思っているところがあるので、理解しづらいと思います。
私も、中国を理解するにあたって苦労しましたが「中国を理解するためには結局、自分が生まれ育った背景を全部否定すると簡単に理解ができる。」とある時に、さっと理解しました。
日本人は基本的には「人間には悪い人はいない。」という発想なのですが、中国が悪い国家という考えで理解していくと全部理解できるようになってきます。
もちろん、隣人になりますので過度な悪意はよくありませんが「民主主義ではない」ということを考えれば今後の中国の行動など、本当によくわかります。
中国の「為替制度」もまともではない
昔から「人民元」のレートは存在しますが、基本的には「ドルペッグ制度」だと考えたほうがいいでしょう。
日本も昔は、1ドル360円の固定レートから始まりましたが、現在では国際社会の慣例にならい変動相場に移行をしています。現在の先進国でドルペッグ制などを採用している国などありません。
一応、中国は名目上、変動為替相場を導入していますが、ストップ高やストップ安が存在します。
株式市場や商品市場には「ストップ制限」という決まりがありますが、通貨市場でそのような制度が存在しているのは中国だけになります。
つまり、共産党に都合の悪い方向に為替相場が行こうとしている時にはストップ制限で相場を動かなくします。これは、変動為替相場とはいえず、単なる管理相場になります。
今年初めからの金融緩和、利下げについて
今年に入ってから中国がずっと利下げをしているのは「前回の記事」でも述べました。
金利を下げているのですから、投資家が中国投資を止めて、中国から資金が流失をして外貨準備が減り、人民元安になるという小学生でもわかる経済の原理原則どおりにはいっていません。
むしろ、外貨準備は増え、人民元は高くなるという真逆の方向に向かっていきました。もう、ここまで来るとまともに経済学を勉強している人ならアホらしくてお付き合いできません。
日本の市場もアンフェアである。
しかし、ここでも書いておきますけど、日本も中国のこと笑えませんからね。
先日、日本のGDP4-6月期の速報値が発表になりましたがマイナスです。つまり、経済の原理原則でいえば、円安、株安、金利安にならなければいけません。しかし、実際には株高、円高、金利高になりました。もうバカバカしくて話になりません。
1-3月の確報値がプラスで4-6月期はマイナスなのですから市場にその衝撃は多く、トリプル安にならなければいけないのが、トリプル高になるというアホらしさです。
一方、アメリカは1-3月期が3パーセントの成長が予想されて実際は、マイナス0.6でトリプル安に見舞われました。マイナス0.6は先日の4-6月期の速報値はプラスに修正はされています。
欧米人からみれば、アジアが摩訶不思議というのはこの辺からきています。日本も市場を勝手に捻じ曲げていますので、他人のことは笑えません。
また、東芝問題にしても、あれは粉飾決算です。粉飾決算であれば、東芝の経営陣は全員、刑務所送りになるのが欧米では当たり前です。元ライブドアの堀江貴文さんは粉飾決算で服役をしたのに、東芝はセーフ?記者会見を見ましたが・・あの緊張感のなさはなんなのでしょうね。
アメリカ人が「日本の市場はアンフェア」と声高に叫ぶ理由はおわかりいただけましたでしょうか?
中国もおかしいのですが、日本も負けず劣らずおかしいのです。共産国家とはいえ、中国にまともな資本主義の理屈で考えると理解不能になります。日本も同様になります。
中国元の切り下げは織り込み済みの材料
話がだいぶそれましたが、利下げをしたという事実は金融緩和になるのですから当然「中国経済は減速をしている」ということになります。
しかし、マスコミは中国経済がそれほど悪いのか?と騒いでいますが、もともとから高すぎた人民元を安く誘導しただけの話であって、そんなに高い人民元で中国経済がもつわけがない、というのが専門家の見方であって「やっと切り下げましたか。」という感じになります。
ですから、利下げをしたことは織り込み済みの材料であって、特段大騒ぎする内容でもありません。お盆の夏枯れ相場のときにやったので、話題になっているだけです。
次回は第三回目。「中国の切り下げは、中国政府からみれば予定通りである。」というお話をします。
(この記事を書いた人:角野 實)