疲れきっていて、朝起きるときにあと5分、20分寝ようと決めることは多いと思います。
そのときに考えられるリスクは、
1.身だしなみを整えられないリスク
2.朝食を食べられないリスク
3.駅まで走っていかなければいけないリスク
4.最悪は遅刻をするリスクになると思います。
身近な生活では、みなさんリスクとリターンが簡単に考えることができます。この場合のリスクは上記に挙げた通りになると思います。
リターンについてはどうでしょうか。5分、20分多く寝ることにより、体の疲れが多少取れるというリターンがあります。
しかし、身近な生活では考えられるリスクとリターンを、実際の相場では一切考えていないという人がたくさんいらっしゃいます。
寝坊をするということ
お若い方はわからないかもしれませんが、年を重ねると寝坊ということがなくなります。
何故か?ということを考えてみてください。年よりは朝早いからだよ。と、若い方は言うと思います。でも、実際は違うのですよね。
そりゃ、生理的には朝早く起きるのでしょうが、私個人の理由は、朝早く起きないと気分が悪いという一言につきます。朝という時間は一番、嫌な事も考えず、前向きなことしか考えない時間なのです。
その後、時間を追っていくごとに顔をしかめるようなことが増えてくるのです。ですから、疲れていても早く起きて気分よく1日を過ごしたいということに他なりません。
若い方は、じいさんやばあさんは朝が早いのだよ、というかもしれませんが、気分よく1日を過ごしたいなら早く起きるのは必須アイテムなのです。
逆に寝坊をすると、損をした気分になり、何事も上手くいかないのです。つまり寝坊をするか否かは、自分の気分の問題なのです。せっかくの一日を気分よく過ごしたいなら、前夜のうちにやるべきことをやって、翌日は気分よく過ごしたいものです。
だから、いうほど年を取ってませんが、個人的な見解は「寝坊をすること自体がリスク」になるのです。
マーケットではどうなのか?
寝坊が時間をムダにするということは年を取っている人のたいていの方は理解していますので、そのリスクを回避しているだけだと思います。
寝坊して遅刻して怒られるなんて最悪の選択です。その日、一日が台無しになってしまいます。
若い頃はなんでわからないのだろうと不思議に思います。私は気分悪い思いはしたくはありませんので、ほとんど遅刻はしたことはありません。
マーケットではどうなのか。たとえば「アベノミクスで円安にいくぞ」と思います。よし、ドル円を買ってやろうと思います。意気込みはヨシとしますが、ほとんどの初心者はバラ色の儲かったときのことしか考えていません。
つまり、前述に置き換えると朝起きたくなくて、その後に起こるリスクの可能性を全く予想をしていないのです。何度も遅刻して学校の先生や会社の上司に怒られて、寝坊して起こり得るあらゆるリスクというのは何度も経験をして理解するものです。
その損をする可能性のリスクに関して、初心者は圧倒的に経験不足であり、またその損をしている時のイメージなどFXをやる前にする人などいませんし、そのことをイメージできないのは初心者なのですから当たり前です。
FX初心者のトレーニング
アベノミクスで円安にいくと確信をした投資家のあなたです。
「よし!ここからドル円は20円、円安に行くぞ」と思います。その材料や、要因、またはテクニカル的な根拠さえもいえない初心者がよくいらっしゃいます。そんなことさえも言えない初心者は、まず間違いなく「自分の最初に決めた値幅も取れません」と断言します。
万が一儲かったとしても、それは単なる偶然で二度目はないでしょう。では、初心者のあなたに聞きます。円安は未来永劫続くのですか。こう聞かれると、そんなことはない、と皆さん言うでしょう。
しかし、本音は違います。仮にレバレッジを効かせて、1億円も儲かっているとしたら、もう円安と信じるしかありません。で、円高に反転したときに汚い言葉になりますが、ケツの毛まで抜かれるくらいの大損をします。それが、初心者というものです。
つまり、何も武器を持たなくてFX市場に参入して儲かったとしてもそれは単なる偶然。事前準備をしない人はコンスタントに勝てません。
また、20円の利益を期待して、リスクが50円あるということを平気でいう人もいらっしゃいます。そんな商売を誰がやるのですか。税務署でも同じこと言われますよ。
1000万円の利益に5000万円の経費をかける人はいませんって。もっとまともな感覚をしなさい、と言いたくなります。
一番大事なことは紙に書き出してイメージする
20円のリターンに対して、私なら負えるリスクは負って10円です。でも、このリスクに対してであれば、通常の資金の1/3も使わないでしょう。
リスクが5円程度であれば、通常の資金量で勝負します。しかし、20円のリターンの根拠と、そのリスクを自分の頭の中で描いてもダメです。
人間は都合の悪いことは忘れます。ですから、自分が常に忘れないような場所に書き出すことが大事なのです。万一、損切りになっても自分のリスクの範囲であれば褒めてあげれば次回も紙に書き出すようになるでしょう。
遅刻のときと同じで何度も繰り返すと簡単にあらゆるリスクが頭に思い浮かびます。そのくらいのレベルになるくらいのトレーニングをしないと相場の上達はあり得ません。
(この記事を書いた人:角野 實)