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FXのレバレッジ規制で得たもの、失ったもの

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FXのレバレッジ規制が敷かれて早、4年が経過をしようとしています。

ところでみなさん、なぜ?レバレッジが規制をされたのかをご存知でしょうか?今回はその辺のところを解明し、レバレッジ規制で「得たもの、失ったもの」を検証していきたいと思います。

レバレッジ規制の背景

みなさん、FXが誕生した経緯をご存じでしょうか。たぶん、ご存じないと思うから「危機感」なくFX会社に躊躇なく自分の大切なお金を預けることができるのでしょう。

私は、実は日本で初めてのFX開発に携わったものですから、よく存じ上げています。
FXが誕生したのは日本のバブル崩壊と、その後の金融危機にて日本の金利が実質ゼロになったころです。1995年ごろに誕生しているのですが、そのころ流行っていたのが「外貨預金」になります。
なぜ、外貨預金になるのかといえば「日本の金利はゼロ」だけどアメリカ筆頭に金利がつく状況だったからです。さらに日本の国力がバブル崩壊と金融崩壊によって弱っているのですから、円安になって当然という意識があることは想像に難くないでしょう。
そこで私たち金融機関はもっと効率のよい、外貨取引はないか、ということでシンガポールのFマン社が開発した「外国為替証拠金取引」を輸入したことから始まったのです。

オレオレ詐欺に近い状態であったFX業界

のちに後発の会社が、その商品を「外国為替証拠金取引」というのではなく「FX」という名前で売りだしたのでFXの名が一般的になりました。FXの呼び名が有名になりましたが、実は業界で「日本初めて」と叫んでいる会社は日本初ではないのはここだけの秘密です。

当時は、まだIT、ないしはコンピュター取引なんて普及していませんが、ほとんど店頭取引になります。しかもその一躍を担うのが「先物会社」になりますのでひどい状況です。
正直いえば「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」に近いような状態です。その残党が今でも、その詐欺を行っていると思うのですが。出金拒否や注文拒否、お金を預けたら事務所ごとなくなっているのなど当たり前なのです。
要するに、当時はマーケットとして成立などしていないのです。その摘発に全精力を傾けたのが当時は大蔵省から衣替えをした「金融庁」になります。
その後、FXの事業会社は許認可制度になり、悪質な業者は根絶されたかのような気配もあります。

リーマンショックの影響で・・

悪質な業者が一掃されて業界も大変な賑わいを見せ始めました。

しかし、その矢先に起こったのが「リーマンショック」になります。ご存じのように、世界に冠たる「ミセスワタナベ」を要する日本。被害者続出な状態になりました。
金融庁の電話は朝から晩までなりっぱなし。その電話の内容は、簡単です。
「国が許認可を与えているのに、なんで老後の資金まで損をするのか!?」
「損をしたFX会社が悪質なので、なんとかしてくれ!」
という身勝手な内容ばかりです。
しかし、役人というのは国民の声に真摯に答えなければいけない、というのが当たり前の世界です。
そこで、金融商品取引法の強化、つまり「レバレッジ規制」に向かうことになったのです。

FX業者の倒産を防がなければならない

もちろん、上記のような苦情電話が圧倒的に多かったのもありますが、リーマンショックの原因にレバレッジの掛け過ぎというのもありました。

リーマンショック前のレバレッジは「400倍」が当たり前の世界。
また、リーマンショック発生後に大量の未収金が発生し、ネット全盛時代にその未収金を営業マンが一人訪問して未収金を回収すると、そのFX会社が資金難や倒産の可能性が高かったのです。
では「未収金を回収するために、レバレッジを規制してしまおう」というのが規制の強化につながります。これが業者よりの行政という声も多々あがりますが、レバレッジを放置しておけばまた、この様な危機が起こった場合、未然に倒産を察知することが金融庁サイドでは確認できなくなり、もし倒産をしてしまったらまた苦情電話の嵐になります。

レバレッジ規制 強化後とその後

金融庁や消費者庁は何が一番怖いといえば、簡単なことになります。

苦情の電話は仕事を増やします。ただでさえ、今でもネット上で違法行為を働き、その苦情電話で手一杯なのに、また仕事が増えると。だったら、お役所は「FXや先物取引、株式取引など信用取引、先物取引を素人ができないように徹底的に弾圧をしてしまえ」という発想になっています。
実際、FX会社のホームページをみると「簡単」「お手軽」という言葉は一切でてきません。
損益の計算などは、絶対に掲載をしていないはずです。損益計算などは、投資家が最も知りたいことなのでしょうが、金融庁の見解は損益計算を「損」の計算の仕方を掲載するように指導をしています。
それを見て、これからFXを始めようとする投資家がいるか、という疑問を考えてみてください。
ですから、金融庁の見解は「素人は一切やるな」というのが本音です。しかし、法規制をしても抜け道を探すのが民間の企業になります。今では、アフィリエイトという商売
で儲けようとする人たちが一生懸命「簡単に儲かります。」と高らかに喧伝をしています。しかし、こういう宣伝は違法になります。

結果、失ったもの得たもの

・規制の強化によって、まず、FX投資家の素人を撲滅できること。
・規制により「自分の判断で取引して、自己勘定で損益を確定する」ことを知らしめた。これがわからない人は一切やってはいけませんよ。ということ。
・規制の強化によって、判明した事実は「貧乏人はやるな」という金融庁の方針。FXは、老後の資金まで食いつぶすようなものではない。
こうやってみると、未熟な投資家を相場に呼び寄せないという観点から考えると失ったものは何もないでしょう。しかし、実体としてはアフィリエイトによって投資家のすそ野は拡大をしており、あまり規制の効果はないように思います。

この記事のまとめ

FXは「素人はやってはいけない」という世界にこれからは生まれ変わります。

自分の考えで投資が出来ない人は、やってはいけない、という世界になります。自分の考えで投資をするというのが本来の投資になります。
こういう風に考えれば、プロの私からみれば素人さんが減るのはさびしいのですが、自称プロ連中がきっちり毎年負けてくれますので、いようがいまいが関係ありません。
投資の世界は素人の貧乏人からいかに効率よく儲けるかがカギです。たとえば、アベノミクスで永遠に円安と信じている、たまたま偶然に儲かったFX投資家は所詮、将来は必ず、損をする事がプロはわかっています。そんなに甘い世界ではないということを肝に銘じるべきです。
(この記事を書いた人:角野 實
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