ビッグマック指数とは?購買力平価に注目して相場を分析する

「現在のドル円レートは購買力平価からすると120円はかなり円安。購買力平価でみたドル円レートの適正水準は1ドル=105円程度である」と内閣官房参与の浜田宏一氏が発言したのは4月のこと。

この発言を受けて、当時121円に向かいつつあったドル/円レートは突然円高方向へ転換し119円前半まで戻す事態となったのは記憶に新しいところです。

【浜田 宏一氏とは?【ウィキペディア】から引用】
日本の経済学者。専門は、国際金融論、ゲーム理論。東京大学名誉教授、イェール大学名誉教授。国際金融に対するゲーム理論の応用で世界的な業績がある人物。

安倍内閣の金融・経済政策のブレーンを務め、円安を強力に押し進める立場にあったはずの浜田氏の発言の善し悪しは別として、「1ドル=120円はかなり円高。105円程度が適正」という部分のみがクローズアップされたのは多少気の毒な気もします。

市場が無視したのは「購買力平価としては」という部分。今回はこの「購買力平価」に注目し、その代表的な指数として「ビッグマック指数」を取り上げていきます。

そもそも「購買力平価」ってなに?

一般的には耳慣れない言葉である「購買力平価」 (purchasing power parity, 略してPPP) 為替レートの決定メカニズムや適正な為替レート水準について、さまざまな考え方がありますが、中長期的な為替レートを示すのがこの「購買力平価」であると言われています。

「為替レートは2国間の物価水準が等しくなるように決まる」という考え方に基づいていて、例えば、ある商品が日本では300円、アメリカでは3ドルで買えたとすると、1ドル=100円が購買力平価ということになります。

実際の為替レートは2国の購買力以外のさまざまな要素(為替需給・貿易コスト等)に影響されるものの、中長期的に見れば購買力平価から一方的に乖離することはないと言われています。

購買力平価の代表的指数「ビッグマック指数」

浜田氏の「購買力平価発言」のおよそ3ヶ月前2015年1月、イギリスの経済誌The Economistによる最新のビッグマック指数が発表されていました。

ビッグマック指数は、マクドナルドのビッグマックの価格によって各国の通貨の購買力を比較するものです。これは、購買力平価の考え方に基づき、マクドナルドが世界100カ国以上で販売しているビッグマックの価格を使って算出したもので、1986年に考案されて以来、同誌で毎年、各国のビッグマックのドル建て価格が報告されています。

ビッグマックは全世界でほぼ同一品質のものが販売され、単価の決定には原材料費や店舗の家賃、光熱費、店員の労働賃金などさまざまな要素が加味されているため、総合的な購買力の比較に使いやすいとされているのです。

最新のビッグマック指数のランキングは以下のようになっております。

1位:スイスの6.5スイス・フラン(7.54米ドル)
2位:ノルウェーは48ノルウェー・クローネ(6.3米ドル)
3位:デンマークは34.5デンマーク・クローネ(5.38米ドル)

ランキング外ですが、参考にアメリカは(4.79米ドル)で6位。

日本は、日本円で370円 (3.14米ドル) ランキングは38位となっています。

調査時期の違いにより、数値に差異がありますが、以下の表が分かりやすいです。

引用元:世界のビッグマック価格ランキング

ビッグマック指数で為替レートを考察する

北欧の物価の高さは有名ですが、スイスではビッグマック「1個が900円と驚愕の値段」です。

すでにファストフードの域を超えていますね。

ランキングを見ることで各国の物価事情を知ることができ、それだけでも興味深いのですが、今回は購買力平価の考え方に基づきビッグマック指数を利用してドル/円の適正水準を算出してみます。

日本でもアメリカでもビッグマックの価格は同じであるとすると、370円=4.79米ドルとなります。

つまり、1ドル=77.24円。ビッグマック指数が発表された「2015年1月」時点の実際のドル/円レートは、1ドル=118.31円ですので、約41円も円安であったことになります。

前出の浜田発言の4月時点では120円台でしたので、いわゆる適正水準からはさらに円安方向へ乖離しています。「購買力平価からすると120円はかなり円安」という言葉も、こうして実際の指標を利用して検証すると納得できるものです。

ビッグマック指数に基づくなら将来的にドル/円レートは80円に向かう?!

ビッグマック指数を利用して算出したドル/円の適正水準は1ドル=77.24円。執筆時点のドル/円レートは124円前後で、(ビッグマック指数を基準とした場合)かなりの円安水準。

購買力平価の考え方に基づけば、ここからさらに一方的に乖離が進むことはなく中長期的には適正水準に向かうということになります。

現在のチャートやファンダメンタルズ(ドルの利上げ観測等)の状況を考えるとまだまだ円安基調は続きそうな気配ですが、購買力平価からすると絶好のトレードチャンスと言うこともできるかも知れません。

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