アベノミクスの歴史をドル円相場で見てみる

総選挙も近づき「アベノミクス」の評価が問われているところですが、「アベノミクス」といえばやはり日銀の存在が大きいでしょう。「金融政策」の評価をするためにもドル円為替という一番大事な指標をみていきたいと思います。

もともと日銀の最大の目標は日経平均を上げることでも安倍政権の支持率を上昇させることでもなく、2%の物価上昇率を早い時期に達成することでした。それによるデフレ脱却・不況脱出が目的です。

その意味でも現実の物価と関係が深い為替の方が日経平均よりも重要な指標だといえると思います。

ドル円為替  2012年~2017年

「アベノミクス」相場の始まりがいつかについてはいろいろな意見があると思いますが、わたしは野田内閣が衆議院を解散した2012年11月16日を最初のスタートと考えています。

そこから為替も大幅に円安になり日経平均も急上昇しています。為替は解散直前には79円台だったのが解散当日が81円33銭、その後はあっという間に円安が進み、翌年一月以降は90円台がはいってきました。

ドル円 2012年11月~2013年2月

まさに相場の予知機能というべきか、衆議院解散が決まったこの時点ですでに自民党勝利と円安・株価上昇のシナリオは始まっていたのだと思います。

その後は安倍政権に移り、黒田総裁就任後日銀主導で二度の大きな「黒田バズーカ」が放たれました。ドル円はわかりやすい動きで、第一回目の日銀の「金融緩和」で100円台、第二回目の追加緩和で120円台の水準まで来ました。

ここまでは80円⇒120円の一直線な円安トレンドだったのですが、2015年末に始まったアメリカの利上げによって市場は混乱し、日銀が導入した「マイナス金利」で市場の混乱にさらに拍車がかかりました。本来ならアメリカ利上げ、日本利下げによって円安が進むはずだという目論見は崩れました。

2016年に為替が1ドル100円まで行った時はイギリスのEU離脱やアメリカ大統領選の混乱など不安定要因がありましたが、結局、大統領選後の大相場でNY株式市場上昇、円安が進み120円まで戻して一年を終えています。

2017年に入ってからは、アメリカの貿易を重視するトランプ発言と北朝鮮問題でふたたび円相場の頭が抑えられてきている感じです。

これからの動きを予想するために

さて、現在の市場の関心はいまのドル円相場が果たしてこれから円安に向かう流れなのかそれとも円高になる流れなのかということでしょう。

2012年から2015年央までの流れは非常に読みやすく、「金融政策」に支えられ80円付近の為替が120円になる動きでした。しかし2016年からは世界経済の混乱で120円が半年で100円までの円高になっています。

ここからどう動くかは見方が分かれると思います。それを判断するには「アベノミクス」が実質的に始まった2012年からではなくその前の円安のピークだった「リーマンショック」前年の2007年からのチャートを見ればわかりやすいと思います。

ドル円為替 2007~2017

このような動きになっています。「アベノミクス」の前後はまるで鏡に映したような対照的な形です。

こうしてみると2007年をピークに、「リーマンショック」の2008年だけでなく、そのあとも円高トレンドが続き一方的な円高になっていることがわかると思います。80円割れで底をつけたのが東北大震災の2011年と翌年の2012年にかけて。

「アベノミクス」の円安復活相場もすごいですがその前の円高トレンドも大きな流れで、四年足らずで120円⇒80円の大幅な動きになっています。

なぜこのような円高になったのかは、「リーマンショック」、東北大震災だけが理由ではありません。

続けざまなトレンドが生まれた最大の理由は、リーマンショックから立ち直るためにアメリカが次々と金融緩和政策を打ち出したためです。それにより日米の実質的な金利差が開いた形になり、円買いドル売りの流れになったのでした。

アメリカはQE1、QE2の二回の「金融政策」を発動させ、その度ごとにNY市場の株価を上昇させ円高ドル安の流れになったのでした。

結局、この間の日米の相場を比べると、

・NY株高
・ドル安円高
・日経平均一万円付近でもみ合い

というように「金融政策」を打ち出してグイグイと相場をひきあげていったアメリカに置きざりにされたような形になってしまったのです。

つまり「アベノミクス」が始まりその中心的なテーマとして「金融緩和」が打ち出されたのも、アメリカのQE1~2の金融政策の成功を見てのことであり、アメリカの金融政策によって置き去り状態にされた日本の株式市場と為替相場を是正するためだったとも言えるでしょう。

「アベノミクス」の中心である「日銀の金融政策」が相場の是正にあったとするならば、一万円付近の日経平均が二万円になり、80円まで円高になっていたドル円為替をふたたび120円近くまで円安に戻した時点でその目標は達成されたとも言えます。

(※物価上昇目標2%の方はいまだに達成されないままです。)

まとめ

ドル円為替の大きなトレンドの動きは80円~120円のあいだで起きています。

120円の円安を達成したあとはここからはもみ合いに移り100~120円のあいだのボックス相場の緩やかな流れになると予想されます。(あくまで金融政策の流れのみで、半島有事は起きない前提です。)

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