経常収支とは、国の国際収支を評価する手法のひとつで「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」「経常移転収支」の4つにより構成されるものです。
貿易収支は輸出額から輸入額を差引いたもので、所得収支は海外の日本企業などが送金するレパトリエーションのことをいいます。
またサービス収支は、日本に旅行に来る外国人が国内で利用したお金の総額を示し、経常移転収支は、途上国支援のことを差します。
経常移転収支は、国の収支の実態を理解するために貿易収支、所得収支、サービス収支を見ていくことが重要となります。
貿易収支が赤字になった日本
日本の場合、このうちの貿易収支が大幅な赤字になっており、急激に輸入に依存している国となっていることがわかります。貿易収支赤字の原因の一つは国内の生産が海外に移転するようになり、輸出額が減っていることです。
また円安による燃料の輸入コストが大きくなっていることも、その原因として挙げられています。
燃料の輸入コストが増えた原因は、東日本大震災以降での原発停止です。実際には量自体は増えておらず、単価が高くなっていることに円安が追い討ちをかけているのが現状となっています。
こうした貿易赤字の経常化は、輸入のための一定以上の実需のドル買いを招くことになるため、為替の視点で見た場合には、ドル円は円安方向に上昇していくことが、基本的な基調となっています。