WTIとはウエスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)の略号で、ニューヨーク・マーカンタイル商品取引所で取引されている原油価格の先物のことをいいます。
このテキサス産の原油は、一部地域だけで産出され米国内だけの、消費されない石油ですが、硫黄分が少なく精製しやすい高級な原油であるため、世界的な原油価格の指標として使われるようになっており、原油価格といえばWTIの数字が注目されるようになっているのです。
2015年現在の傾向で説明しますと、WTIの原油価格は70ドルから106ドル程度まで上昇する局面がありました。しかし、9月に入ってからは100ドルを割れる動きとなってきています。
これまでコモディティでも、金や石油は地政学的リスクの高まりで急騰する局面がありましたが、リスクが低減すると価格も比較的落ち着きやすくなる傾向があり、石油価格自体が為替に与える影響というものは、一昔前に比べますとかなり低下傾向にあることがわかります。
ただ、日本に関して言えば、石油価格の上昇は電気、ガス、交通費、商品価格などあらゆるものに影響を与えていることは間違いありません。
現在では日銀のインフレターゲットに組み込まれて問題視はされていませんが、本来的には消費を落ち込ます大きな要因にもなりかねないため、ドル円で考えた場合は少なからず影響を与えるファクターとなっていることがわかります。