各国の金融政策を受け持つ重要な存在として注目されているのが「中央銀行」の存在です。
どの国の中央銀行も、時の政治政権とは別に安定的、長期的に継続した金融政策をとることが求められるようになっており、中央銀行の動きが「証券」「債券」「為替」などの金融相場に大きな影響を与えるようになっているのです。現状における先進主要国の金融政策は大きく分けて二つ存在することになります。
QEと脱QEの政策
ひとつは過去6年間米国が続けて来た「QE」による徹底した金融緩和政策で、現在「ECB」日本がこの方針でさらなる金融緩和の流れの中に入っているものです。
また、もう1つの流れが「米国FRB」の金利引き上げ政策や「BOE」の金利上昇政策など脱QE政策となっているのです。この二つの流れは明確に異なることから為替の動きにも大きな影響を与えるようになっているのです。
主要各国の思惑
米国は「QE」終焉後株価が低迷しないことを強く望んでおり、そのためにも強いドルを維持することを掲げています。
一方「ECB」は脱デフレから逃れるために本格的に「QE」へシフトしようとしており、一段のユーロ安を大きく目論もう状況となっています。
さらに日本の「BOJ」はインフレターゲットをクリアし、消費増税後半の2%の実現のために円安、株高を醸成していきたい強い意向をもっており、珍しく主要国の「中央銀行」の金融政策に利益相反のない状況が作り出されつつあるのです。
こうした状況がどこまで継続されていくのかが金融市場にとっては大きな注目点となることは言うまでもない状況です。