損益レシオとは、次の式で計算される数値のことです。
(損益レシオ) = (平均利益)÷(平均損失)
つまり、平均すれば、どれくらい損しているか、あるいは得しているかを示す、割合の数値なのです。主に、「自動売買」システムの優劣を見る指標の一つとして使われています。
この数字だけでは全体像が分からない
例A:4回の取引で80万円の利益を得ました。つまり平均すれば、20万円の利益です。
また、6回の取引で60万円の損失を出しました。つまり平均すれば、10万円の損失です。
この場合トータルでは、60万円儲かっています。
損益レシオは、2です。勝率(つまり利益を得た取引の割合)は、0.4です。
要するに、トータルでは儲かっていますが、勝率は悪いのです。
例B:6回の取引で60万円の利益を得ました。
つまり平均すれば、10万円の利益です。また、4回の取引で80万円の損失を出しました。つまり平均すれば、20万円の損失です。この場合:トータルでは、20万円損をしています。損益レシオは、0.5です。勝率は、0.6です。
要するに、勝率はいいですが、トータルでは損をしているのです。
損失レシオ、勝率、PFの関係
PFとは、総合的な損得の割合です。損益レシオ、勝率、PFの間には、密接な関係があります。
勝率が一定のとき:損失レシオが大きくなれば、PFも大きくなります。
PFが一定のとき:損失レシオが大きくなれば、勝率は小さくなります。損失レシオが一定のとき:勝率が大きくなれば、PFも大きくなります。勝率5割で、トータルの損得がない場合には、損失レシオは1になります。
この数値は自動売買システムの指標に使われる
上記のように、損失レシオだけでは「自動売買」システムの優劣を判断することはできません。
しかもその数字は、あくまでも過去のある期間での成績なのです。その成績が今後も続くとは限りません。