FXの世界で単に「鉱工業生産」と言うとき、アメリカの「鉱工業生産指数」を指すことが多いのですが、各国が定期的に発表しているものであり、いずれも為替相場に影響を与えるものです。
もちろん日本も発表していますし、ユーロ圏も発表しています。その他では注目されることが多いのが中国の鉱工業生産などですが、ここでは最も注目されるアメリカの鉱工業生産についてご説明します。
鉱工業生産とは鉱業または製造業に従事している鉱工業の生産動向を表すもので、景気動向を把握する上で速報性の高い指標として注目されます。
鉱工業生産とは
前段で触れたように鉱業・製造業の業況を表すものですが、その発表は2002年を100として指数化し前月比での上下動を%で表し発表しているものです。「GDP」が四半期毎に発表されるのに対して、鉱工業生産指数は毎月発表されることから、景気動向把握のための速報値として扱われます。
「GDP」における鉱工業の割合は2割程度とあまり大きくないのですが、経済全体への影響力を考慮して重視される指標です。また、その結果からはその他の産業の景気動向や個人消費の状況も推測できます。
鉱工業生産指数の発表と市場の反応
景気動向把握の上では重要な指標ですが、発表時に為替市場に与える影響はさほどではないというのが印象です。
もちろん、発表される数値が市場予想を上回ればアメリカの景気が堅調とされドル買い要因に、予想を下回ればドル売り要因となるのが市場の反応ですが、同時に発表される設備稼働率とともに為替相場に与える影響は小さく、投資家目線ではそれほど注目されない指標かも知れません。