日本人のFX投資家の9割以上が取引していると言われるドル/円。そんな日本人投資家にとって、毎月のイベントの日があります。毎月第一金曜日(もしくは第二金曜日)に発表される非農業部門雇用者数です。
単に雇用統計と呼ばれるこの指標は、発表されるや否やその月で最も大きな値動きを見せることも珍しくありません。円に対して流通量の大きいドルの国アメリカの指標発表が相場に与える影響は大きく、ファンダメンタルイベントと呼ぶほど市場の注目を集めます。先程の雇用統計ほどではありませんが、アメリカの経済指標には重要なものがいくつかあり、「耐久財受注」もそのひとつです。
耐久財受注とは
耐久財とは3年以上の使用に耐える消費材のこと。そこには自動車・航空機といったアメリカの基幹産業商品が含まれていますので、アメリカの景気動向を知る上では重要な指標です。
また、企業の受注段階での数値のため、その後行われるであろう設備投資や雇用、生産といった企業活動の先行指標的意味合いが強いことが特徴。毎月月末に発表されることから、翌週発表のビッグイベント「雇用統計」への思惑を生じやすく発表後の為替の方向性を決定づける場合も多くなっています。一方で、「ブレが大きい」と評価されることも多い指標ですので注意が必要です。
耐久財受注の発表と市場の反応
耐久財受注については、前月比での増減が%で示されます。
また、他のアメリカの重要経済指標と同様に事前の市場予想と比較してよいのか悪いのかで判断しますので、事前の市場コンセンサスについて把握しておくことも大事です。単純には、耐久財受注が市場予想を上回ればアメリカ経済の先行きは明るいと見てドル買い、逆ならドル売りというのが市場の反応です。