有事のドル買いとは、戦争が有った場合にアメリカが世界最強で一番安全という意味で買われていましたが、最近では基軸通貨としての安定性や流動性からドルへの逃避という感じで行われるようになりました。紛争が主に中東で行われていて、紛争が起きると国際情勢が不安になります。
そして先進国の問題として石油を輸入しなければならない立場だから、紛争で石油価格が上がれば必然的に石油の輸入により通貨が流出していきます。石油価格の上昇も経済に悪影響を及ぼします。
当時はアメリカは石油輸出国でした
アメリカは国内で石油を生産出来ますから、石油価格の上昇に強く、経済にも影響がない状態です。
しかし石油の純輸入国に転落してからは、石油価格の上昇が経済に影響してくるし、紛争解決にアメリカが軍事介入せざるを得なくなってきてから、有事のドル買いはあまり行われなくなりました。
有事のドル買いというよりは他通貨が売られています
北朝鮮がミサイルを発射した時、有事のドル買いが行われましたが、これは投機筋の煽りで買われただけで、ミサイルが飛んでくる恐れのある円を売ってドルを買う動きの方が多かったです。
中東情勢の緊迫化も最近ではドルが買われるどころか売られていて、それ以上に周辺国の通貨が売られる状態になっています。軍事大国化したアメリカですが、有事が有れば軍事費の増大と自国経済の疲弊が有る為、もう前よりはドル買いが行われなくなっています。
そして軍事介入すら自制するようになったアメリカの通貨はもはや有事だから買われるということは無くなってきています。