「ゼロ金利政策」とは文字通り、金利をゼロにする政策のことです。
日本では「バブル崩壊」から金融危機以降20年以上にわたって「ゼロ金利政策」を続けています。
ゼロ金利の二面性
ゼロ金利というと、思い浮かべるのは銀行金利、すなわち預金金利になります。昨今では銀行にお金をおいても、タンス預金にしても、金利がつかないので一緒と考える人もたくさんいらっしゃるようです。
しかし、それはお金を預ける立場の人間の考え方であって、借りる側にとっては貸出金利が安くなるという側面をもっています。景気後退期や不況時には政府や「中央銀行」が金利は安め誘導、ないしはゼロ政策に誘導し、景気の反転を試みることをゼロ金利政策といいます。
アメリカは現在のところゼロ金利になりますが、これはアメリカ史上初めてのことになります。
不景気時に政府や「中央銀行」は、市中に資金を供給し、景気を刺激します。市中に資金を供給するということは、お金の流通が増えることになりますので、相対的に自動車や、日常品の値段が上昇するという考え方になります。
つまり、貨幣の価値が下がって、モノの価値が上がるのですからこの状態を「インフレ」と経済学ではいいます。
「インフレ状態」なのに、金利はゼロなので通常は景気が日増しによくなっていくのが経済学の通常の考え方になります。
また、近年、自国通貨安競争ということが言われますが、金利がゼロの上に、通貨の供給が増えるのですから自国通貨安になるのが自然です。今の日本の状態がそれになります。