主に金融用語になります。金利の低い通貨で資金を調達して、金利の高い通貨でその運用をすることをキャリートレードといいます。
難しい用語を使っていますが、基本的には預金金利の多寡によって預け入れる銀行を替えるのと一緒のことになります。
円キャリートレード
日本はバブル崩壊から、その後の金融危機以降にキャリートレードが主流になりました。
それは、日本の金利が実質ゼロになりますので日本でその資金を調達し、日本よりも金利が高い通貨で運用するという手法が一般的になったからです。
また、資金を調達して円を売り他の外貨を買うというのが一般的になりますので円安になりやすいという構造が円キャリートレードを助長したのも一因になります。
ですから、その当時の小泉政権下では円安が加速度的に進むという現象が生まれました。また、首相自身が「貯蓄から投資へ」とわかりやすい言葉で世間に訴えたことが、証券市場やFX市場の隆盛につながりました。日本では投資が浸透をしたのはこの時代のことになります。
その前のバブル時代には不動産市場への投資が一般的でしたが、それは限られた階層の人たちの投資であって投資がこれだけ大衆化をしたのはこの時代の話になります。
しかし、リーマンショック等により世界の先進国の金利がほとんど実質ゼロ金利になりましたので、この円キャリートレードは終焉し円高時代に向かうのです。この背景には、日本は債務が多いですが、債権は世界各国比較をすると断トツの多さになるのでリスク回避通貨として買われたのが原因と思われます。
今後のキャリートレード
この秋(2015年)にもアメリカの利上げが実現するのではないかという思惑からまた、円のキャリートレードが復活するのではないかという思惑もあります。
しかし、この夏前にドイツの長期金利が急騰したのが記憶に新しいと思いますが、現在が日米欧の長期金利が上昇中になります。
この金利上昇はキャリー取引を防ぐための国際協調の一環と筆者はみており、この日本で資金を調達をしてアメリカで運用をする円キャリートレード取引の復活は難しいと思います。