Jカーブ効果とは、特定の事象に対して本来なら右肩上がりになる要件なのに初期値のころは逆に減少し、のちに理論通りに上昇するカーブのことを言います。
このカーブが英数字の「J」に似ていることからJカーブ効果といいます。
具体的な実例
自国が通貨安に導いた場合、その貿易黒字は増加していくのは自明の理になります。
たとえば、日本が円安になった場合、貿易の輸出額が製品価格が下がるので輸出が堅調に伸びるので貿易黒字が増えるのは当然の結果になります。
しかし、円安になり始めた当初は、円高時よりも一時的に輸出額が減ることがあります。その減少の状況、カーブが英数字のJに似ていることからそのグラフのJの形を取ってJカーブ効果といいます。
日本の貿易赤字はJカーブ効果か?
日本も自国通貨安を誘導していますが、貿易は赤字が続きます。世間はそれほど、日本製品が安くなっても輸出額が伸びないとアベノミクス反対派は叫びますが、この貿易赤字に関してはJカーブ効果と主張する人たちもいます。
個人的意見になりますが、工業化製品をいくら輸出しても中国や韓国を筆頭とする後発工業国から製品の品質も廉価性も追い抜くことができないと考えています。
なぜなら、工業化製品というのはコピーされることが前提の商品になります。いくら独自技術を開発してもコピーされるのは必然のことで、何れ技術開発もこれらの国に追い抜かれることは必然になると思います。日本の輸出大国というキャッチフレーズは、基本的には工業品の輸出であり、コピー可能な商品になります。
ですから、これらの輸出拡大を目指しても何れ太刀打ちはできなくなると思います。
今、推進している原子力発電や医薬品にしても同様に何れ工業品になると思います。日本のモノ作りというのはハンドメイド製品に移行しなければ、日本の貿易赤字はずっとJカーブ効果の初期段階のままになると思っています。