世の中に産業革命のよう革命と呼ばれる事象が多いのですが、このシェールガスも石炭革命や石油革命のように「シェール革命」と呼ぶことがあります。
シェールガスの変遷
シェールガスとは、ベンチャー系石油開発企業ミッチェル社のジョージ・ミッチェルが20年ほど前から未知エネルギーの探求を目指す苦労を10年余も重ね、地中の頁岩(けつがん)層から産出される天然ガスを発見したのが始まりになります。
その後、このシェールガスの可掘可能年数は50年以上にわたることが判明し、石炭、石油に続く、エネルギー革命になるかもしれない次世代の化石燃料のことをシェールガスといいます。
アメリカの家計費に占めるエネルギーの割合は減っている
このシェールガスの発見を経て、アメリカの家計費に占めるエネルギーの費用は半分以下になっています。アメリカというとドライブ天国、自動車社会と言われるようにエネルギーの使用割合が非常に高い国になっています。
しかし、近年のリーマンショック等を経て未だにリーマンショック前並の賃金に並ぶような状態であってもアメリカが好景気を維持しているのは、リーマンショック前よりも家計に占めるエネルギーの割合が低くなっていることがアメリカの好景気を支えています。
つまり今まで、エネルギーに支出をしていた費用がそっくりそのまま可処分所得に変わっていることがアメリカ経済の好況の要因の一つとなっています。
原油の重要性の低下
商品相場においては10年ほど前から原油を買って、天然ガスを売るストラドル取引を行うと毎年、数パーセントの利益が出ることが常態化をしています。これは、原油の需給はひっ迫をしているが天然ガスは常に在庫水準が高いことに起因をしています。
すなわち、家計が暖房費等は全部ガス暖房に移行してきている証左であり、エネルギーの価格が世界で一番安いと言っても過言ではない状態にあります。
日本はエネルギーの家計に対する割合が逆に増えている状態であり、そこで景気が好循環に移行するのはなかなか難しいこととも言えると思います。
シェールガスは家計や経費の概念を変える
この都市化した近代経済の中ではエネルギーなしには我々の生活は語ることができません。
つまり、今後世界の経済は割安なエネルギーの恩恵を被ると言っても過言ではないと思いますし、それをシェールガス革命と言ってもいいと思います。