ストレステストとは、金融機関が金融危機などの際にどれくらい耐える力を持っているかを確認するテストのことです。
金融危機の際に突然、銀行などがつぶれてしまうことがないよう、あらかじめ銀行などを健全な財務状態にしておくことを促しています。
リーマン・ショック後に活発化
ストレステストは、リーマン・ショック後にアメリカ合衆国で行われたものがよく知られています。リーマン・ブラザーズと同様の破たんを今後起こさないために取られた措置だといえます。
アメリカ合衆国のみならず、欧州債務危機に直面したヨーロッパ諸国などでも、ストレステストが実施されました。
デメリットも存在する
金融機関の健全性を保つことを目的として実施されるストレステストですが、ストレステストに不合格となる金融機関が出てしまった場合、不合格という結果が伝わることで、当該金融機関の信用度が大きく低下してしまうデメリットがあります。
ストレステストに不合格となる金融機関は、財務状態に問題があるため、信用度が大きく低下すれば、破たんへの歩みが速まってしまう可能性が高いです。
そのため、ストレステストに不合格となる金融機関に対しては、早めに救済措置をとって再建への道筋をつけるなどの取り組みが不可欠です。
基準設定が難しい
ストレステストの合否を判定する際には、基準の設定が難しいです。非常時にも破たんせずに済むかどうかを判断したいものの、「非常時」の定義があいまいだからです。
したがって、ストレステストの合否結果が報じられた場合に、「基準が緩すぎるのではないか」といった批判が生まれることがあります。
ストレステストに合格した金融機関だからといって、必ずしも、「絶対につぶれない」といえるわけではない点に注意が必要です。