国際決済銀行(BIS)とは、様々な国の中央銀行向けの国際銀行です。スイスで1930年に設立されました。
BIS規制によって、銀行の財務健全化を促す
リーマンショック時などの有事の際には、金融機関が破たんすることがあります。金融機関が破たんすれば、預金者をはじめとする多くのステークホルダーに迷惑がかかります。預金の払い戻しができなくなったり、融資が滞ったりするからです。
そこで、破綻に至る事態をできるだけ避けられるよう、銀行に自己資本比率が一定以上であることを義務付けるようになりました。
このルールを、BIS規制といいます。BIS規制のBISとは国際決済銀行のことであり、国際決済銀行がBIS規制のルールを定めたことを意味しています。BIS規制では、国際的に業務を行う銀行の自己資本比率が8%以上であることを要求しています。
リーマンショックやギリシャ危機など、世界各地で様々な金融危機が起こっている現状を考えると、BIS規制によって銀行の財務健全性を確保することは必要だといえます。
長い歴史を持つ
国際決済銀行は当初、第1次世界大戦後の賠償金支払いにドイツが苦慮している状況を打開するために設立されました。したがって、長い歴史を持つ銀行だといえます。
長い歴史の中で、国際決済銀行は各国の中央銀行間の連携を促すなどして、国際金融市場の安定に努めてきました。市場の安定性をより高めるために導入されたのがBIS規制です。
国際決済銀行はあくまでも中立的な立場から金融市場をとらえています。そのため、IMF(国際通貨基金)などと合わせて、時代ごとに大切な役割を果たしています。