トリシェ総裁とは、フランス中央銀行、および欧州中央銀行(ECB)の総裁を務めた人物です。特に、ECB総裁としての活動がよく知られています。
第2代ECB総裁として活躍
トリシェ総裁は第2代ECB総裁として活躍しました。ヨーロッパでは、欧州債務危機が発生し、不況状態に陥っていました。そのため、ヨーロッパでは歴史的な低金利状態となっていました。
低金利政策をとれば、景気の回復に期待できるものの、いつまでも低金利を続けすぎると、逆に景気が過熱してバブルにつながりかねません。
そのため、ある段階で利上げをする必要があります。トリシェ総裁は、ECB総裁として2011年に利上げを行いました。利上げの実施、とりわけ金融危機からの回復期における実施は、景気を再び冷え込ませてしまった場合に大きな批判を受けることから、しり込みしてしまう中央銀行総裁もいます。トリシェ総裁は、思い切った決断をしたといえます。
総裁を退いた後も、発言が為替レートなどに影響
トリシェ総裁は、利上げを敢行する決断力があった人物であり、わかりやすく鋭い発言をすることでも知られています。
そのため、ECB総裁を退いた後も、トリシェ氏の発言が外国為替レートなどに影響を与えることがあります。トリシェ氏が発言する内容は、ECB総裁を務めたこともあって、ヨーロッパの経済・金融についての内容が多いです。
そのため、ユーロや英ポンド、スイスフランなどのヨーロッパ諸国で使われている通貨を含むペアでFX取引を行う場合には、トリシェ氏の発言があった場合の相場変動に注意が必要です。