為替変動リスクとは、為替レートの変動によって損失(や利益)の額が変動することを意味します。
外貨建て債券には為替変動リスクがある
高金利を売りにして多数の商品が販売されている外貨建て債券には、為替変動リスクがあります。
たとえば、年率10%の1年物南アフリカランド建て債券を購入します。ここでは、為替手数料や税金は無視して考えます。
年率10%なので、1年後には資金が1.1倍となって返ってくることがわかります。ところが、為替レートが変動した場合、南アフリカランド建てでは資産が10%増加するものの、円建てで考えれば、資産増加額が10%を上回ったり、下回ったりする可能性があります。
もし、もともとの円/南アフリカランドのレートが1ランド=40円であり、1年後に1ランド=44円になっていた場合には、為替レートの変動10%と、債券利息分の10%によって、1.1×1.1=1.21となり、21%もの利益を得られる計算になります。
いっぽう、為替レートが1ランド=36円となった場合には、為替レートの変動-10%と、債券利息分の10%は、0.9×1.1=0.99となり、1%の損失が発生する計算になります。外貨建て債券を購入する際には、為替変動リスクにも留意する必要があります。
為替変動リスクに対応しやすい外貨預金
外貨建て債券に比べると為替変動リスクに対応しやすいのが外貨預金です。
外貨建て債券では、為替レートが不本意な方向に変動した場合でも、損切りをするための債券売却がスムーズに行えない可能性があります。証券会社などに買い取ってもらえる場合でも、元本割れするくらいの価格設定になることが考えられます。
いっぽう、外貨預金は一般的に外貨建て債券よりも流動性が高いので、為替レートが思わぬ動きを見せた場合でも、スムーズに円に戻すなどの行動が行いやすいです。