口先介入とは、中央銀行トップや各国の有力者などが、相場についてコメントするなどして、相場を動かそうとする介入の仕方です。
予想外の効果をもたらすことも
口先介入は、実際の行動による介入とは異なるため、効果の予測が難しいです。
そのため、予想外の結果につながることもありえます。口先介入を行う際には、口先介入の効果があまり見られず、相場が大して動かなかった場合ならまだしも、期待とは逆方向に相場が変動してしまう最悪の事態も考えられます。
口先介入を行う際には、期待通りに行かないリスクを十分に考慮する必要があるといえます。ただ、口先介入は通常の介入を行いにくい場面でも比較的簡単にとれる方策であるメリットがあります。
繰り返しすぎると効果が薄れる
口先介入には、市場の過度な動きを抑える働きなどが期待されています。しかし、口先介入はあくまでも発言によって投資家の心理(センチメント)を変化させる方法です。
したがって、口先介入を頻繁に行いすぎると、投資家心理が口先介入に影響されづらくなり、次第に介入効果が薄れてしまいます。口先介入の効果には限界があるので、あくまでも通常の介入を補助する役割を期待することが望ましいといえます。
ただし、投資家の立場からすれば、口先介入は大きな相場変動をもたらすことがあり、注意が必要です。特に、平時の発言が、「金融緩和には絶対反対」などの一方向寄りの人物についてはより警戒する必要があります。