先物市場とは、将来の一時点において、一定価格で金融商品等の取引を行う先物契約が取引される市場です。
金融派生商品(デリバティヴ)の一種
先物は、金融派生商品(デリバティヴ)の一種です。先物取引を行うことによって、価格変動リスクを抑えられるメリットがあります。
例えば、為替先物では、貿易によって入手した外貨を自国通貨に交換したい企業などが、為替変動リスクを抑えたうえで生産活動を行うことができます。先物取引には、リスクを抑えられるメリットの反面、投機的な取引に用いられやすいというデメリットがあります。
ただし、先物取引の中でも取引量の多いものだと、投機的な取引の影響力は限定的です。したがって、先物市場において時間分散的に先物契約を売買すれば、リスクの低減という目的は達成しやすいといえます。
オプション市場とは異なる
先物市場と似た市場に、オプション市場があります。オプション市場はオプション契約が取引されますが、先物、オプションのいずれもデリバティヴであることは共通しています。
先物とオプションの違いは、契約が義務であるか、権利であるかにあります。
先物契約は原則として、将来時点において、あらかじめ決められた価格で取引を行う義務についての契約です。したがって、契約時よりも、取引実施時点でのレートが不利な場合でも、先物契約を放棄することはできません。
一方、オプション契約は、将来時点において、あらかじめ決められた価格で取引を行う権利についての契約です。したがって、オプション契約では不利なレート変動が起こった場合には、権利を放棄することができます。