オイルショックとは、石油を産出する国で紛争が発生するなどして、石油価格が急に上昇することです。「石油危機」とも呼ばれます。
中東情勢が不安定化すると発生
オイルショックは、石油の産出量が多い中東の情勢が不安定化した際に発生しました。第1次オイルショックは、1973年に第4次中東戦争が勃発したことをきっかけに発生しました。日本の石油の輸入先としても、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、イラン、カタールなど、多くの中東諸国があります。
そのため、中東で戦争が勃発し、石油価格が引き上げられてしまえば、日本をはじめとする石油輸入国の経済にとっては大きな打撃となります。この点を逆手に取って、中東諸国が石油価格を意図的に釣り上げ、石油輸入国に打撃を与える場合があります。外交上の交渉を有利に進めたい場合に「外交カード」として石油価格を持ちだしてくることもあります。
シェールガスの活用増加で発生しづらくなっている
近年、アメリカ合衆国を中心に、シェールガスの産出量が増加しています。そのため、原油の産出量が減少したとしても、燃料不足に陥る可能性が低くなっています。
その結果、中東情勢が決して安定しているとは言い難い状況の中でも、石油価格は下落しています。産油国としては、石油価格が高騰しているときは、石油を輸出することで国の経済を維持することができていましたが、石油価格下低迷すれば、外貨の獲得手段が乏しくなりかねません。
中東諸国でも、石油化学工業を発達させるなどの取り組みはなされてきたところもありますが、石油価格の低迷が続けば、経済に深刻な影響が出ることは不可避といえます。