金本位制度とは、貨幣などの価値が金によって裏付けられている仕組みです。
金本位制度のもとでは、兌換紙幣が発行される
金本位制度のもとでは、発行されている紙幣は基本的に、金と交換可能とされています。
このように、金と交換できる紙幣を兌換紙幣といいます。いつでも現物資産である金と交換できることによって、紙幣に対する信頼度を高める効果があります。
しかし、ひとたび紙幣に対する信頼度が低下し始めると、金と紙幣の交換を希望する人が急増します。こうなると、紙幣と交換する金の準備量が不足しかねません。だからといって、大量の交換に備えて金を大量に準備しておくことは、効率的とは言いがたいです。そこで、金と交換できない不換紙幣が発行される流れに至ります。
アメリカの金本位制離脱
アメリカ合衆国のニクソン大統領は、1971年に、金とドルとの交換を停止すると発表しました。
これがいわゆる「ニクソン・ショック」と呼ばれる出来事です。アメリカの金準備量が不足してきたことが、ニクソン・ショックにつながりました。ニクソン・ショックは、主要先進国の通貨が変動相場制へと移行する流れを作りました。為替レートの変動によって利益を得るFX取引も、ニクソン・ショックがなければ成立していなかった可能性があります。
アメリカが金本位制を離脱したことで、基軸通貨としての米ドルの地位が揺らぐのではないか、との懸念がなされましたが、ユーロ、ポンド、円、人民元などさまざまな通貨が多くの場面で使用される現在でも、米ドルは基軸通貨であり続けています。