金融庁とは、日本の省庁の1つで、内閣府の外局に当たります。
不正を行う企業に制裁を加える
金融庁は、不正を行う企業に対して、企業名を公表したり、課徴金を払わせたりして制裁を加えることがあります。
金融庁がこうした制裁を実施することによって、投資家を一定程度保護することができます。 また、企業側も制裁が存在することによって、不正を働くインセンティヴが小さくなります。もっとも、不正が発覚すれば制裁を加えられることを恐れて、不正が長きにわたって明るみに出ないケースもあり、制裁の存在が不正を撲滅するには至っていません。
また、企業の監査を行う監査法人が適正な業務を行っているかを監督するのも金融庁です。企業の粉飾決算を意図的に見過ごしたなどの事実が判明すれば、監査法人も制裁を受けることとなります。
公的資金の投入決定を行う
金融庁は、財務状態が悪化した企業に公的資金を投入する際にも活躍します。安易に公的資金を投入すれば、企業が財務状況の悪化を食い止める努力を十分に行わなくなることが懸念されます。
いっぽう、多くの国民にとって必要不可欠な企業を破たんさせてしまえば、国民生活に大きなマイナスとなる可能性があります。
金融庁は、さまざまな事情を総合的に判断して、公的資金を投入するかどうかを決定します。日本では、バブル崩壊後に複数の金融機関に対して公的資金が投入されましたが、この段階ではまだ金融庁が発足していませんでした。金融庁が公的資金投入の意思決定を行って事例としては、日本航空(JAL)に対する救済が挙げられます。