ODAとは、政府開発援助のことです。主として先進国から途上国に、開発用の資金として与えられます。日本も多数の途上国に対してODAを実施しています。
給付型と要返済型がある
ODAの中には、返済が必要なものとそうでないものがあります。日本が供与しているODAの多くは返済を必要とする形式です。返済を求める形でのODA供与は、実質的には資金を援助していることにならないとの批判を受けることがあります。一方、給付型にしてしまうと、途上国側が不適切な支出を行う可能性があります。
したがって、すべてのODAを給付型としてしまうことにも問題があります。ODAを与える際には、供与する目的と合致した使い道となっているかを確認する必要があります。
開発実施の権利と引き換えにODAを与えることも
ODAは、先進国が単純に途上国を資金的に支援する目的に使われるとは限りません。表面上は途上国の支援であっても、実質的には先進国が途上国での開発プロジェクトに積極関与するためにODAを与えることがあります。途上国としては経済開発に必要な資金を賄うことができたり、先進国の技術をスピーディーに導入で来たりといったメリットがある一方、先進国も安価な労働力を積極的に活用しながら、ODA支出相手国の経済成長の恩恵を受けることができます。
見返りを重視するあまり、途上国を支援して国同士の経済格差の縮小に取り組む意識が失われることは望ましくありませんが、ODAを供与する際には、自国にとっても利益につながるかどうかを考え、双方にとってメリットのある形にすることが期待されます。