公正取引委員会とは、不正な金融取引がないかなどを監視する機関です。企業のM&A(合併・買収)の際に独占や寡占にならないかもチェックしています。
独占禁止法に基づき独占・寡占を監視
公正取引委員会の主要な役割の1つとして、独占や寡占の防止が挙げられます。独占や寡占が行われれば、適切な競争が失われることによって、消費者などが不利益を被る可能性が高まります。
また、長期的に競争が少ない状態が続けば、産業自体が国際競争力を失うことも懸念されます。独占や寡占を防ぐための法律としては独占禁止法があり、公正取引委員会は独占禁止法に基づいて独占や寡占を防いでいます。
特に、企業が合理化を目指して合併する場合などには、独占・寡占にならないかを厳しくチェックします。場合によっては、独占や寡占につながりかねないとして合併が破談してしまうこともあります。合併のニュースが出た場合には、合併に関わる企業の株価が大きく変動することがありますが、公正取引委員会の判断によって合併が不成立となる方向が定まる場合にも、株価が変動しやすくなります。
したがって、合併の話題が出ており、独占や寡占につながる可能性のある企業に投資する場合は、公正取引委員会からの情報に注意が必要です。
カルテルの防止にも貢献
公正取引委員会は、カルテルの防止にも貢献しています。企業は利益を確保するため、販売価格をあらかじめ高めに設定することで合意したり、営業地域の重複を極力避けたりする可能性があります。
こうした行動は、見かけ上は複数企業間での競争があるように思えますが、実質的には独占や寡占と変わりません。したがって、公正取引委員会は、こうしたカルテル行為を取り締まる役割を果たしています。