ROEとは、Return On Equityの略称です。
企業の株主資本効率を表す
ROEは、企業の株主資本効率を表します。株主から集めた資本をもとに、どれだけ効率よく利益をあげられているかを示しています。ROEが高いということは、株主から集めた資金を有効に活用できていることを意味しています。
一方、ROEが高いといっても、負債が多すぎるケースはあまり望ましくないといえます。負債は他人資本となるため、負債が大量にあると株主資本の割合が小さくなるぶん、ROEの値が高まりやすくなります。
もちろん、負債を適切に活用してROEを高めることは、レバレッジの利いた効率の良い経営につながります。しかし、ROEを高くすることに集中するあまり負債が多くなりすぎれば、リスクの高い経営になってしまいます。
高ROEを目指す日本企業が増加
かつて日本ではROEがあまり重視されていませんでした。しかし、2015年にコーポレートガバナンスコードが制定されたのに伴って、企業は株主を重視する姿勢をとるようになりました。
株主を重視する活動の具体的内容としては、IRを増やすなどして株主へ積極的に情報開示することのほか、株主から集めた資金を効率よく活用して利益につなげることも挙げられます。
後者が、ROEを高めることを意味しています。日本の株式市場を代表する株価指数に日経225がありますが、これに加えてJPX400と呼ばれる指標が2015年に登場しました。
この指標に含まれる銘柄になるためには、ROEが高いことが条件の1つとなっています。新たな指数が生まれると、その指数に連動する投資信託が設定されるなどして、指数に含まれる銘柄にとってはプラスに働きます。
そのため、ROEを高めることは株価対策としても一定の効果があるといえます。