HFTとはHigh Frequency Tradingの頭文字をとった言葉です。コンピュータプログラムを利用して行う、回数の多い取引を指しています。
相場を不安定化させることも
HFTでは人間ではなく、コンピュータプログラムが取引を行います。そのため、人間が目視で確認できるよりも細かな値動きからも利益を得ようとします。
また、異なるプログラムであっても、相場の動きが一方向に傾いたときには同じ売買判断を行う場合があります。そのため、相場急落時などにプログラムが一斉に売りを仕掛け、相場の崩れ方が大きくなることがあります。
新興株市場のような出来高が少ない市場のみならず、日本やアメリカのメイン市場などでもHFTの取引が原因とみられる相場急変が起こったことがあります。
そのため、個人でレバレッジをかけるなどのハイリスクな取引をする際には、HFTの動きに一定の注意をしておきましょう。
メリットもある
相場を混乱させてしまうことがあるHFTですが、メリットもあります。というのも、HFTが取引を活発に行うことによって出来高が増加し、市場の流動性が高まるからです。
流動性が高いと、自分の希望の価格で約定しやすくなる点で個人投資家などにとってもメリットとなります。したがって、HFT=悪というわけではありません。
また、国際的なニュースなども分析してHFTが取引することにより、遠く離れた国で相場に影響するようなニュースが流れた際も、速やかに相場にニュースの影響が反映されやすくなります。
もっとも、HFTの取引によって相場が動きすぎることがある点には注意が必要です。