グレンコアとは、スイスに本社をおき、商品取引を活発に行う商社です。
グレンコア・ショック時に株価が大幅下落
グレンコアの株価は、2015年9月に急落しました。世界的に資源価格が大幅に下落するなか、グレンコアのビジネスを信頼できなくなった投資家などが売り浴びせた結果だと考えられます。
このグレンコア株の急落は株式市場全体にも大きな影響を与えました。「グレンコア・ショック」とも呼ばれる株価急落は、グレンコア株が取り引きされているロンドン市場全体にも不安感を与える形となりました。
一時的な株価急落だけなら、中長期的な視点で株価の回復に期待できますが、中国経済の減速が鮮明になっていることや、アメリカでシェール開発が行われていることなどを考えると、資源価格の回復には時間がかかる可能性があります。資源価格が低迷を続ければ、資源ビジネスを重視してきたグレンコアの株価が低迷を続けることもありえます。
タックス・ヘイヴンを活用
グレンコアは税金の支払い額を極力減らすため、イギリス王室の属領であるジャージーを登記上の本社所在地としています。
商品取引を行うグレンコアは、資源価格の下落によって業績が急激に悪化してはいるものの、資源価格が高騰すれば莫大な利益を出す可能性があります。
したがって、いざ大幅な黒字決算が続くようになれば、税金の支払い額も大きく膨らむ可能性があります。そこで、タックス・ヘイヴンを活用すれば、せっかく出した利益を新たな設備投資に回したり、株主還元の資金としたりしやすくなります。