デカップリングとは、連動性が強かった経済指標などが、何らかのきっかけで連動しなくなることを意味します。
アメリカ経済の成長と世界経済の成長がデカップリング
戦後、アメリカ経済が世界経済に与える影響は非常に大きかったです。というのも、アメリカの景気が良くなれば、アメリカ向けの輸出が盛んな国の経済にもプラスの影響が強く働いたからです。
ところが、21世紀に入ってから、アメリカ経済の良しあしと、世界経済の良しあしが必ずしも連動しなくなってきました。
理由としては、中国をはじめとする新興国が成長してきたことによって、世界経済全体に占めるアメリカ経済の割合が小さくなったことが挙げられます。
そのため、アメリカ向けの輸出が落ち込んだとしても、内需がしっかりしていたり、アメリカ以外の先進国や、新興国向けの輸出が堅調だったりすれば、国の経済が落ち込まずにすむケースが増えました。
結果として、アメリカ経済が減速しても、世界経済はかつてよりも成長を維持しやすくなりました。
とはいえアメリカ経済の動向は重要
デカップリングが起こったからといって、アメリカ経済の様子を軽視することはさすがにできません。
というのも、「アメリカ経済の動き≒世界経済の動き」という時代ではなくなったものの、依然としてアメリカは主要な先進国だからです。アメリカ経済が好調なら、アメリカ向け輸出の多い国の経済にもある程度のプラス作用が働くからです。
したがって、世界経済の動きを見極める際には、参考情報の1つとしてアメリカ経済の動きを活用することができます。