当座預金とは、決済用などに保有する預金です。
一般に利子はつかないが、金融機関が破たんしても全額保護
当座預金には、一般的に利子はつきません。というのも、決済を銀行口座経由で行うために利用する預金だからです。
銀行にお金を貸す形で預ける普通預金と異なり、銀行側は当座預金を積極的に運用しづらいことが、利息が付かない一因といえます。当座預金は利息が付かないデメリットがある反面、金融機関が破たんしても全額が保護されるメリットがあります。
普通預金や定期預金であれば、ペイオフ制度に基づき元本1000万円までとその利息が最低限保護される金額です。1000万円を超える元本については、一部のみしか返ってこないことがありえます。
そのため、企業の決済用資金など金融機関の破たんによって全額保護してほしいお金は、当座預金に預け入れられる場合があります。
日銀への当座預金にはマイナス金利がつくことも
日本の民間銀行は、中央銀行である日銀に当座預金を預け入れることができます。一般預金者が預け入れた資金のうち、使わない部分を預け入れるために利用できます。
ところが、日銀に預け入れる当座預金には、マイナスの金利がつくことがあります。2016年に日銀の黒田総裁が当座預金の一部についてマイナス金利を導入すると発表しました。
マイナス金利が導入される背景には、民間金融機関に資金を投資に振り向けさせる狙いがあります2016年には年初から株式市場で大幅な下落が見られるなど、景気後退が懸念される状況となりました。そのため、マイナス金利の導入によって景気の刺激を図ったといえます。
このように、日銀は当座預金金利を上げ下げすることで、金融政策を行うことができます。