湾岸戦争とは、1991年に始まった中東での戦争のことです。
イラクのクウェート侵攻がきっかけ
湾岸戦争は、1990年にイラクがクウェートを侵攻したことをきっかけとして勃発しました。イラクのクウェート侵攻が一方的な措置だったため、アメリカ合衆国を含めた多国籍軍がイラクを空爆する形で、湾岸戦争が幕を開けました。
湾岸戦争では、イラクの指導者、サダム・フセインがクウェートの石油を狙って攻撃を仕掛けました。イラクとクウェートの一対一の戦争であれば、国の規模が大きいイラクのほうが有利といえましたが、アメリカをはじめとする多国籍軍がイラクに攻撃を仕掛けたことにより、湾岸戦争はイラクが敗北して終了しました。
中東地域では戦争が石油に絡むことが多い
中東地域には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、クウェート、バーレーンなど、石油産出量の多い国が多数あります。石油価格は変動するものの、石油を大量に輸出することができれば多くのお金を手にすることができます。
したがって、どの国もできるだけ多くの油田を確保したいと考えています。その結果、中東地域の情勢が不安定化すると、石油の供給状態にも影響が出かねません。
実際、第四次中東戦争がオイルショックの原因となった事例があります。湾岸戦争の際にも、クウェートの石油を利用している日本に影響が出ないかが懸念されました。湾岸戦争がイラクの敗北に終わったことで大きな影響は出ませんでしたが、自国の主要資源を輸入に依存しているリスクが改めて意識された戦争となりました。