「キャメロン首相」は「デイヴィッド・ウィリアム・ドナルド・キャメロン」が正式名でイギリスの首相を務めた人物です。
1966年生まれですからまだ若く、政治家としてもこれからというイメージがありましたが、英国のEU離脱をかけた国民投票で離脱が正式決定したことを受けて辞任し、2016年7月13日からは後任として与党・保守党の党首に選ばれたテリーザ・メイ内相(59)が新首相に就任する運びです。
キャメロン氏はイートン校からオックスフォード大学に進み、政治、経済学を学び1988年から保守党調査部に勤務し、2005年に若手による改革を唱えて党首選に出馬し党首に選ばれます。
そして2010年5月から英国首相となり6年あまりでその職を辞すことになったわけです。
間違いの始まりはEU離脱支持派の選挙での取り込み
多くの国内の個人投資家の方はなぜ英国だけがEUの中で残留か離脱かを問うような国民投票を行うことになったのか不思議に思われていると思いますが、実はこれを公約にして選挙で勝利してしまったことが、キャメロン首相の最大の問題だといわれています。
もともとイギリス国内にはEUからの離脱を唱える層が多く存在していましたが、2015年の総選挙時にこうした離脱派を取り込むために国民投票を選挙公約に入れてしまったことから実施をせざるを得なくなってしまったのです。
この国民投票は法的に特別に規定されているものではありませんし、投票率や得票率に対する細かな定義もありませんでした。
開票の結果、残留支持が16,141,241票(約48%)、離脱支持が17,410,742票(約52%)となり、離脱支持側の僅差であったにもかかわらず離脱が決定してしまうという、非常に驚く結果を引き出してしまうことになりました。法的に特別な拘束力がない投票であったにもかかわらず、首相の公約のおかげでイギリスはいきなりEU離脱に向きあうことになってしまったというわけです。
ここからの交渉は少なくとも2年以上の長丁場
イギリスのEU離脱決定後、為替相場は大きく下落し荒れた展開が続きましたが、現実的な影響が明確になってくるまではここから最低2年以上の年月を必要としており、金融市場に大きな影響がでるのはまだまだこれからと考えられます。
ただし、このイギリスの離脱を受けて「BOEカーニー総裁」は早くも利下げ対応による経済の安定化を示唆していますので、今後ポンドは主要通貨に対して大きく下落する可能性が高まっております。
為替市場はイギリスのEU離脱の、本質的なデメリットや問題などとは別にポンド安相場が継続しそうな状況になっています。
こうしたことからドル円もポンド円の下落に影響を受ける相場が続きそうで、為替市場ではポンドは新たな注目通貨として機能することになりそうです。