FXにおけるショートカバーとは売りポジションの買い戻しのことを言います。
FXというのは需給のバランスで価格が決まることになりますので、買う人に比べて売る人が多ければ相場は下がることになりますが、一方的に売り人たちがけが集まりすぎてしまいますと、買い手が現れないことからそれ以上相場が下がらないという事態に追い込まれてしまいます。
こうなるとそれ以上相場が下がらないことからあきらめて反対売買をする投資家も登場することになり、下落していたはずの相場は逆に上昇するような動きを見せることがあるのです。これがショートカバーの基本的な動きとなります。
ショートカバーが進むと損切りも登場することに
ショートカバーが進んで大きく相場が戻してしまいますと、今度は売りポジションをもっていた人たちがコスト以上の価格になってしまい、逆に損切りを余儀なくされるレベルになってしまいます。
こうなるとさらに相場は上昇してしまい、相場は踏み上げと呼ばれる状態になり、さらに上昇することになります。
それでも損切りをせずにしぶとくポジションを持っているトレーダーも存在することから再度相場が下落しはじめていても多くのトレーダーが保有しているポジションのレベルになると買い戻しが入るようになってしまい、それ以上相場が下がらないという動きを示現させることもあるのです。
ショートカバーは日常的に起きる現象
このショートカバーはドル円などでは頻繁に起こる現象となります。
相場が下落方向だと思うと殆どの投機目的のトレーダーは売りでポジションを取ることになりますが、相場がそれ以上下落しなくなるとショートが溜まりすぎて、買戻しや損切りが起きることから一気に相場が上昇してしまうということが起きるのです。
ショートカバーが発生しやすい時間帯が存在
ショートカバーは取引時間が変わってプレーヤーがチェンジする時間帯に多く発生することがあります。
たとえば欧州勢が参入する午後4時や5時という時間帯にはドル円を中心にしてよく見られることになりますし、欧州勢の昼休みとなる18時過ぎから20時、また欧州勢からNY勢にイニシアチブが移る夜9時過ぎなどにもこうした逆の動きが加速することがあるのです。
ロンドンのインターバンク勢はかなり意地悪ですから、自分たちが参入する前の相場の動きと反対の動きを加速させて一定の損切りを出してからまた同じ方向に売りを続けるといったこともよく行われますので、ストップロス狩りにあうといったことも頻繁に見かけられます。
相場の流れは下落方向でも売りだけが溜まりすぎて相場が下落しないと思われるときには迂闊に売りでついていかないことが必要になります。