トランプラリーとは2016年11月8日の大統領選挙開票によりトランプの大統領決定となった直後から、始まった政策期待の上昇相場で、為替ではドル円が年末から年明け早々まで継続することとなり、101円台から118円60銭レベルまで上昇することとなりました。
また株価のほうは年を越しても上昇を続けており、一旦はトランプ起因の相場は終了しているものの、NYダウもNASDAQも史上最高値を更新するという動きにつながっている状況です。
トランプ当選前多くのエコノミスト、アナリストは正反対を予想
このトランプラリーに関して非常に興味深かったのは本邦のエコノミスト、アナリストが口をそろえてトランプが大統領に就任することになればBREXITを超えるほどのネガティブサプライズとなり株も為替も大きな下落を覚悟する必要があると予想したことです。
結果的にはご案内のとおりまったく相場は逆方向に動くこととなり、株も為替も期待だけで大きく上昇を遂げることができています。
この見立て違いはかなり激しいものがあり、その後正式に謝罪したアナリストなどは見る機会がありませんが、そろいもそろって市場関係者が予測を間違えるという異例の事態になったことは見逃すことが出来ません。
ウォール街と一部のファンド勢には第二幕を期待する声も
現状では就任から半年以上経過してもTPPに参加するのを正式にやめた以外には当初掲げた政策をひとつとして実施できていないことから、かなり市場の期待も剥落した状況に見えますが、その一方でウォール街と米系の一部のファンドは秋口の大型減税案の提示とドッドフランク法廃止により2兆ドルの資金が金融業界に戻ってくることを期待してトランプ相場第二幕が走ることを予想する向きも存在し、市場の見方は二分しつつあるようです。
そこまで期待できる状況が示現するのかどうかは依然不明ですが、トランプ大統領自身もなにか政策を打ち出して流れを変えることは考えているはずで、それが果たしてトランプラリー第二幕になるのかどうかが注目されるところです。
ただ、トランプ大統領就任時は完全雇用も実現し、株価は最高値からスタートしているわけですから、今後経済状況が悪化し株価も下がるということは十分に予測可能であり、状況が悪化したところを見計らって財政政策などの具体案を出してくることもありえそうです。
2018年についてはFRB議長の交代も予定されていますから、よりトランプ政権よりで親和性の高い金融政策に再シフトすることができると相場は改めて延命していく可能性も残されます。