トルコリラはトルコ共和国の通貨で通貨コードは TRY です。先進国と比べると金利が高く、直近で年利8.25%を維持しておりスワップで稼ごうとするは投資家に人気のある通貨です。
トルコ経済は欧州に隣接しておりEU加盟も狙っている国だけに欧州経済への依存度が極めて高く、また欧州情勢の影響も非常に受けやすい国となっています。
この8月に史上初の直接選挙による大統領選を行い、民主化も進んできていますが、地域的に様々な地政学的リスクも受けやすく、リスクオン時とオフ時の状況が違う国のひとつです。
トルコリラの歴史
トルコの補助単位はクルシュでオスマン帝国時代に使われていた銀貨の単位です。
19世紀の後半に行われたデノミの際にクルシュにかわって新しい通貨の単位ができました。それが旧通貨の「リラ」となります。
2005年以前トルコリラはインフレが進んだため、クルシュの単位は通用していませんでしたが、2005年に事実上の100万分の1のデノミが行われ、新トルコリラと新しく通貨が発行されました。
100万トルコリラ=1新トルコリラとなり、1新トルコリラが100新クルシュとなったのです。2009年からまた通貨の名称は再びトルコリラに名称を戻し、新たに新紙幣が発行され現在に至っています。
特徴
トルコリラの高金利は慢性的な国の経常収支赤字とインフレに起因しています。
トルコはエネルギー輸入依存度が多角、原材料輸入・加工貿易国であるため経常赤字がなかなか解消しないという構造を持っています。そのため高金利政策によって海外からの資金導入を図ることに大きな狙いがあります。 また先進国に比べると非常に高いインフレ状態が継続しています。
2006年からインフレターゲット制を導入しており、インフレ率を5%前後で安定させることを目標としていますがしばしばこれを超える状態となっています。
したがって高金利は維持しても想定以上の通貨安を誘発する可能性があることも事前に理解しておく必要のある国です。
トルコリラは1トルコリラ48円程度と豪ドルの半額であることからコストも安く、3倍から5倍程度のレバレッジで運用するとスワップ狙いで考えた場合にはトルコリラ円はかなり効率がいい通貨ペアということができます。
こんな人にお勧め
スワップポイントは高いものの、のんびり長期に保有していると知らないうちに大きなスワップポイントになっていたというほど簡単な通貨ではありません。
したがって通貨安になったときにリスクをとりながら買っていけるリスク許容度をもったトレーダーにお勧めとなる通貨ペアです。またリスクオフ状態になると売るに売れないことにもなりますし、通常スプレッドが広い業者で売買すると大きな取引コストになる可能性もあるので十分注意が必要となります。
実は新興国通貨危機などで大きく下げた直後から戻すタイミングなどでじっくり保有するとスワップポイントと相場自体の回復の両方で大きな利益を確保することが可能になることもあるのです。
こうしたタイミングを見計らうことのできるトレーダーにはお勧めとなります。スワップポイントの高い業者と低い業者二つを選定してポイントの高い業者でトルコリラ円を買い、安くて差分のとれる業者でトルコリラ円を売り、擬似的にスワップポイントのアービトラージのような利益獲得をしながら為替のリスクをヘッジするといったつわものの取引をする国内トレーダーも存在するようで、やり方次第ではリスクヘッジの方法も存在するようです。