前回お話しました、米ドルは非常に人気の高い通貨ですが、FXではユーロも人気の通貨として知られています。ここではユーロについての特徴などをご説明していきたいと思います。
ユーロは17の国で使用されている
ユーロは、オーストリアやベルギー、ドイツ、フランス、スペイン、バチカンなどのヨーロッパ諸国で使用されている通貨です。
為替相場での地位は高く、米ドルに次いで第二の基軸通貨と呼ばれる事もあります。人気の高い米ドルにも遅れを取らないほどの人気を誇ります。
ヨーロッパ諸国で利用されているユーロですが、イギリスやスウェーデンなどの国ではユーロを利用せず、独自の通貨を用いています。また、紙幣や硬貨のデザインは国によって違っているという事も特徴の一つです。
今でこそユーロは米ドルに次いで人気の高い通貨ですが、誕生して間もない頃は様々な要因からなかなか値が上がる事もありませんでした。
しかし、2000年代になると貿易収支などが黒字になったという要因も加わり、ユーロの価値はどんどん上がっていったのです。2000年代の前半と言えば、アメリカ同時多発テロや、それに伴う戦争など、そういった背景から米ドルに対する不安が生まれ、逆にユーロへの信用度が高まっていきました。
実際に2000年代前半からの為替レートを見ると、米ドルのレートが下がっていっているのに対し、ユーロは反比例するように上昇を続けています。
ギリシャショックやイタリアショックなど懸念事項は尽きず
良い事ばかりのようなユーロですが、勿論リスクも存在します。ユーロというのは、日本などのように一国での通貨ではありません。
ヨーロッパの20ヵ国以上の国で使用されている通貨なので、価格変動となる要因がいくつも考えられるのです。当然トレーダーが必要とする情報もそれだけ多くなってきます。
例えば、ドイツ国内が非常に安定しており、経済的に何の不安が無かったとしても、フランスの要人による失言や、他国への戦争介入などがあった際にはその影響は当然ユーロ使用国であるドイツも受ける事になります。
実際に、2009年に発覚したギリシャショックでは、小国の財政赤字がユーロの信用を揺るがせました。また、イタリアやスペインなどの財政難も、頭を悩ます問題です。つまり、ユーロの取引を行うという事は、ユーロ圏全ての動向を気にする必要があるということです。
それが、他の通貨ペアにはない、大きな特徴になります。