今現在通用するFX手法では(恐らく)なく申し訳ないですが、欧州債務危機の際(そう、あの円高が急速に進んでいたときです)同じく安全通貨としてスイスフランがすごい勢いで買われました。日本と比べて市場規模も小さく、輸出に頼る産業構造のスイスは自国の製品が高騰して売れなくなることを懸念して、こんな声明を出しました。
「1ユーロ=1.20フランの最低為替レート設定する。1ユーロ=1.20フランを下回る水準は容認しない。無制限の外貨購入の用意がある。為替ターゲットを『最大限の決意』で守る」
という経済規模の大きな国では考えられない(失礼)内容でした。
FX手法概要
手法名 | 欧州債務危機でのFX取引 | ||
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開発者 | mita88さん | ||
勝てる? | 勝てる | ||
取引スタイル | デイトレード、スイングトレード | ||
時間足 | 1時間足、4時間足、日足 | ||
通貨ペア | その他、ユーロフラン | ||
分析手法 | ローソク足 | ||
その他選択項目 | 逆張り | ||
取引市場 | オセアニア市場、東京市場、欧州市場、NY市場 | ポジション保有時間 | 2~3日 |
FX業者 | 月間取引頻度 | ||
エントリー注文 | 逆指値 | 決済注文 | 指値 |
勝率 | 90% | 損益レシオ | R-0.3 |
平均利益 | +10pips | 平均損失 | -30pips |
1ユーロ1.20フランに固定
実際の介入から1ユーロ1.11フラン程まで高騰していたフランが2時間程度で(!)1.20フランまで下落しました。2時間で1000pips(1000ポイント)以上の高騰です。暴落するユーロにしてみればかわいそうな気がしないでもないですが・・・
その直後にアメリカからはスイスと日本は通過の規模も経済の規模も違い、同じ手法は許容出来ない、みたいなことを言われていました。
そのおかげで(?)日本円は対ドル、対ユーロ、対フランなど幅広い通貨に対して買い注文が殺到し、当時世界で最も強い通貨になってしまいました。
スイスだから出来たのでしょうか、荒ぶる波がぴたっと静まりかえるように1ユーロ=1.20フランにほぼ固定されたかのような状態になりました。
それでもFX相場が実際に固定されたわけではなく、スイス中銀の介入のおかげで固定されたがごとくの状態になっていたわけで、当然時折どこかからの仕掛け的なフラン買いがあったようですが、それに対してスイス中銀の介入を期待して売りで構える、というFX手法でした。
このFX手法は欧州債務危機のさなかでは有効すぎるくらい有効で半ば反則とも言える手法でしたが、無制限の為替介入が永遠に続くことはありませんでした。
債務危機が落ち着き始めるとともに、徐々に1ユーロ=1.2フランの上限を緩和し、フラン高を容認するようになり、現在でもスイス中銀による介入はあるようですが、当時のようなあらぶった波が鏡のように平らになるFX相場はその後、訪れませんでした。
再び為替介入の可能性!?
では二匹目のドジョウはいないのか・・・?そうとも言い切れないかも知れません。
今年の3月10日には、ウクライナ情勢を受けて、再び高騰すれば無制限での介入の用意があるという発言もありました。事実フランは、現在でもユーロに対して1.2の為替レートを大きく逸脱していません。
あんまり景気や経済の面からはいいことではありませんが、再びリスク回避でスイスフランが高騰した際には注目に値する通貨ペアかも知れません。
2015年1月15日のスイスショック!
2015年1月15日(木) 「スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフランの対ユーロの上限である1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表」したことを背景に、スイスフランが大暴騰。
○スイスフラン/米ドルが「1.0217~0.7398」まで「2820pipsの下落」
○スイスフラン/円は「114.95円~154.42円」まで「3947pipsの上昇」
この値動きが「わずか20分間」での出来事です。
※2015年1月15日(木)スイスフラン/円 5分足チャート
アルパリUKが破たん!次々とスイスショックの影響が!
この大相場の翌日の1/16(金)FX大手業者の「アルパリUK」が破たんしました。また、日本法人であるアルパリジャパンも、顧客が保有するポジションを強制決済するという発表をしました。
私自身、アルパリジャパンに911万円の資金を預けており、きちんと出金されるか?が心配です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。