DMIとはDirectional Movement Indexの略で、RSIを開発したことで有名なワイルダー氏が同じく考案したオシレーター系指標です。
この指標はワイルダー氏自身が開発した有名指標であるRSIのような既存のオシレーター系が大きなトレンドが出てしまうと殆ど上限や下限に張り付いて使い物にならなくなることから開発者自身がそれを補うために開発したものであるため、なかなか面白い使い方ができるのです。
DIの計算方法
DIの計算方法はなかなか複雑です。 +DIは前日と比較して当日の上値の上昇分を当日の変動は倍に対する割合として算出しています。
また-DIは、前日と比較して当日の下値の下降分を当日の変動幅に対する割合として算出したものです。
この変動幅は上記の3つの数値のうちの絶対値の最大値を利用することになります。またADXは一定期間のトレンドの強弱を測るもので+DIや-DIを利用して算出することになります。
DMIの使い方について
このDMIはいろいろ細かい計算規則があるのですが結果の利用方法に着目することにしますと、まず指標は上昇トレンドを示す+DIと、逆に下降トレンドを示す-DIによって構成されています。
この二つのラインを見ることによって買いシグナルと売りシグナルを見分けることができるようになるのです。まず、+DIが-DIを下抜ける場合には売りのサインとなります。
一般的にこれもデッドクロスと呼ばれています。また逆さまに+DIが-DIを突き抜けていく場合にはゴールデンクロスと呼ばれ当然のことながら買いのサインとなります。
さらに、このDMIにはトレンドの強さを示すラインとしてADXと呼ばれるものが存在します。このADXが上昇過程にある時にはトレンドは強くなることを示しており、下降過程にある場合にはトレンドの方向性が弱いことを示しています。
したがって+DIと-DIが交差してもADXの位置が低い場合にはトレンドに方向感はなく、だましのサインになっていることがあるため注意が必要となります。逆にADXがはっきりと高い位置にありゴールデンクロスがでる場合には、確実な買いシグナルと見ることができることになります。
オシレーター系の問題点を掌握して追加開発されたことだけのことはあって、計算は複雑ですが、その結果はかなり使いやすいものとなっています。
この指標は多くのFX業者のツールに実装されていますので、簡単に利用することができるようになっています。したがって計算式そのものよりも、その使い勝手をしっかり覚えて売買タイミングを掴んでいくことに使えると大変役に立つものとなります。