モメンタムは、の正式名称はMomentumという英語で、オシレーター系の先行指標です。
この先行指標というのは現在の値動きよりも先に動くテクニカル指標であることを示しています。モメンタムは最近ではMT4にも標準で実装されているため世界的に利用者が多いツールとなっています。
ただ、このモメンタムは値動きを予測してくれるものとはちょっと性格が異なるので、あくまで相場の勢いを確認するためのツールであると理解しておくことが間違いないようです。
モメンタムとは
日本語でいいますとモメンタムとは勢いであるとかはずみといった言葉になります。したがってモメンタムでは相場の勢いや相場が反転する時の水準の目安を推測できる指標ということになります。
したがって売買タイミングをはかるとともに相場の上昇勢いが弱くなってきているかどうか、あるいは下落相場の勢いが強くなってきているかどいうかなどを捉える時に使われるようになっています。
モメンタムの計算式について
モメンタムの計算式はかなりシンプルです。モメンタム=当日の終値―n日前の終値 ということになります。通常日足で使う場合にはこのn日に該当するのが10日や25日がよく使われますが、週足ですと9週や13週が利用されることになります。
過去の相場状況によってこの設定日を変えるとそれなりに違う数字が出てくることになりますので、いくつか設定を変えて比較してみるというのも面白い使い方になります。
モメンタムの使い方について
通常モメンタムは為替相場とは別にサブウインドウで表示されるチャートとなります。中間にゼロラインがあり、指数がここにあれば、設定した数日前のレートとほぼ同じ水準にさることを示しています。
また上にあればプラス圏にあり値下がりしていればマイナス圏に位置することになります。このモメンタムはよくRSIと比較されることが多い指標ですが、RSIが予め定められた上限、下限を持つのに対しモメンタムはレートだけをプロットするたけですから買われすぎや売られすぎといった指標が登場しないのが、ある意味で1つの特徴となっています。
したがって最近ではこれを補正するようなリバイスバージョンも多く登場するようになっています。
この使い方は極めて簡単であり、指数がプラス圏であれば基本的に相場は上昇ラインであることを示しており、逆にマイナス圏にある時には下降トレンドとなります。
したがってまず指数がゼロラインを抜けてきたら上昇トレンドに転換したと判断できますし、逆にゼロラインを下抜けした場合には下降トレンドとなっていると判断できるのです。
ただ、短い時間足で見ていますと、一時的に押し目がある場合でも同様のサインがでますのでトレンドの基本的な方向と一致しているかどうかを確認して利用していくことが肝要となります。
ラインの勾配にも注意
モメンタムのいいところは上のチャートでもわかるとおり相場の勢いが視覚的に捉えられることです。
このモメンタムによって形成される勾配が急であればあるほど相場には一定以上の勢いがでてきていることが確認できます。
添付の図は直近でドル円が久方ぶりに109円台の中盤まで上昇した時に追随したクロス円としてのユーロ円のチャートですが、時間足でみていくと急激に上昇する際にはモメンタムの勾配も急激になることを確認することができます。
またマイナス圏から急激に上昇する場合には底入れを示唆していることもわかります。このようにモメンタムは市場の動きと連動してみ続けるとかなりいい売買対みんづを示してくれるものとなります。
正、他のオシレーター系にもよく発生するものですが、ダイバージェンスという状況を表示することもあります。つまり、相場が上がり続けているのにモメンタムのラインが下降に転じるという状況です。
こうした実際の相場のさらなる上昇とオシレーター系のチャートが追随しない状況が表れる時には、多くの場合ピークアウトが迫っていることが多く、さらにその後トレンドが反転することを暗示していることが多いため、こうした状況が見られる場合には一旦持っているポジションは利益確定したりして様子を見ることがお勧めとなります。