マーケットが荒れています。こういうときには材料やテクニカルの判断のウェイトは必然的に低くなり、心理戦の様相を呈してくると思います。なぜなら、今後、マーケットがどうなるか、という人の思惑によって、マーケットが決定するからになります。
今の材料、トランプ疑獄になると思いますが、そうやってトランプ疑獄が解消したらマーケットが楽観に戻るという見通しになります。果たして本当にそうでしょうか?確かにトランプが辞任をしたら大きくマーケットは売られるでしょうが、その後、楽観になるようなテクニカルをしていますでしょうか?
そもそもトランプ疑獄という材料で下がったという見方が間違っているというのが私の見解です。個人的には下がるべくして下がったというのが私の見方です。
今の状況は何が材料で下がっているかわからない状態、そして、マーケットが今後、どうなるのか?というのは投資家共通化の悩みになると思います。そこで登場するのは「内部要因」になります。
内部要因とは?
何度もお話をしているように、内部要因の基本要素というのは、新規買い、売り、転売、買戻しの4つの構成要素からなります。「IMM」の投機筋ポジションなどは、これがわかっていない方がいくらみても分析はできません。
同じ買いでも、二種類の買いがあって、その種類によって今後の相場展開は月とすっぽんくらい違いますので、理解していない人が偉そうに語っても、個人的には苦笑をするほかがありません。この4種類の売買を理解しなければ、私の言っていることは皆目、理解できないでしょう。
内部要因の2つめに重要なこと?!
みなさんは、FXというのは証拠金取引のことであって、それにレバレッジが効いていることはご存じだと思います。たいていの人はその言葉を知っているだけで、何も理解していないので、このレバレッジや証拠金取引を全く理解できていません。
証拠金取引というのは実際の取引金額よりも少ない金額で取引できることで株の信用、先物取引と同じことになります。「CFD」や商品先物取引も同様のことです。
この証拠金をみなでプールして、みんなでその争奪戦を行うのが、証拠金取引、レバレッジというのです。みなさんは、自分のお金は大事だと思いますが、争奪戦のときに最終的に守るのは自分のお金ですよね。
相場の行方をみなで占って、自分がその方向にいくと思う方向にベッドをするのです。負けたら、あなたの証拠金は傷つき、そして勝てば、増えるというゲームです。その最低単位が一〇〇〇〇通貨当たりの証拠金4万5千円になるのです。これが、きのうお話をしたことになります。
実際、どのように活用するのか?
きのうもお話をしましたが、今回の戻り高値は「114.35円」くらいになります。この証拠金が丸飛びになるところを計算するのです。高値で買った、買い方の証拠金が無くなるポイントというのは114.35円-4.5円で求められる解になりますので「110.85円」で証拠金が丸飛びになります。
実際、きのうの午前中は110.5円まで下がり、約3.8円の下落、そしてきのうの夜中に110.2円まで下がりその差、4.15円の下落になります。証拠金が無くなるのは4.5円なのですが、その手前で戻ったことがポイントなのです。
買い方を売り方が死滅させるためには、上記に挙げた、4.5円下がったところ、つまり110.85円まで下げれば、ロジカルに買い方がいなくなる水準なのです。
この場合、買い方は居ないので、買い方からむしり取れる証拠金がなくなってしまいますので、売り方は買買戻しを掛ける以外、手はありません。
きのうは一番底、二番底をつけて戻りを入れていますが、戻りを入れた瞬間に、首の皮1枚つながった買い方はまた買い増しをしてきてきます。そうなるとトレンドが下向きなのに押し目買いをしてきた買い方から奪う証拠金が出てきたので売り方は小躍りして喜びます。
しかし、値幅が大したことないので売り方の本格攻勢はまだ先です。買い方の証拠金が少ないので、得られる利益が少ないから値幅を戻してから叩くのは売り方の通常の作戦になります。つまり、今回のこの急落によって、買い方の証拠金は痛み、撤退する人も中にはいるでしょう。
でも、4.5円下がらなかったことで買い方は全滅していません。この状況は売り方にすれば、喜ばしいことで、買い方は、残党や新規に買う人が出てきますのでまた買いの証拠金が増えるので売り方はまた、奪える証拠金が増えるので喜ぶのです。
今回の場合は、買い方は首の皮1枚、残してまだ、残っていますので、戻り売りは継続なのです。
つまり、売り方からすれば計算通り、また買い方の証拠金が増えてきたら、それを奪いにいくという作戦に出るのです。相場のトレンド転換というのは、なぜ、起こるのかといえば、買い方、もしくは売り方が全滅したときにトレンド転換が起こるのです。
今回の場合は、まだ買い方は全滅していませんから、戻りは入れるだろうが、また戻れば売りだろうな、というのが妥当な計算なのに、テレビのコメントをみるとまだ、円安と叫んでいるアホがたくさんいることに驚きを隠しようがありません。
相場は総投げ、総踏みによって、転換するのは江戸時代から変わりがありません。今回は買い方が全部、投げていないのに円安というのは、まったくおかしいということを内部要因から説明してみました。
ただし、この考え方は相当、訓練を積まないとできませんので、これを読んでも全く当てはまらないと騒ぐ方はたくさんいるでしょう。このロジックは少なくても5年は修行を積まないと自分のものになりませんので、早く成果を出したい方には不向きでしょう。
(この記事を書いた人:角野 實)