おはようございます。先週は大荒れの展開で、このまま、上昇していくと思えば、内部要因の問題で下がるという展開になりました。内部要因とは、根拠のない買いが大勢を占め、またセンチメントも問題ないという感じで大衆買いを誘う、という展開でした。
要するに買っても、買っても上がらないから、プロが売ってきただけの話です。この話を理解できる人は、何人いるのだろうか?とは思います。本日は、世界の情勢の話をしていきたいと思います。
AIで世の中が変わるの間違い
案外、私はドラマ好きで、いま、嵌っているのは「下町ロケット」(笑)。
その中の一節に、阿部寛さんが「かつて産業革命によって職人は全滅すると言われた。しかし職人は機械よりも進歩したことによって生き残った」というものがありました。
私はこの言葉には感銘を受けたものです。マーケットもAIが今後も席巻していくことでしょう。だったら、私たちがマーケットで生き残るためには、鍛錬や学習によってAIよりも進歩するほかないのです。
どんなにAIが進歩しても、人間より勝っているということはない、のです。当たり前の話ですが、新技術というものは致命的な欠陥というものを必ず内包しているものであって、その大事故が起こっていない状態です。
必ず、AIの事故によって相場が乱高下する場面があるはずであり、そのときにそのスキルを身に着けているものだけが生き残ると私は思っています。AIで多少、世の中は変わるけど、投資家という人種は、古くは東インド会社や、大阪の堂島からの歴史があるのです。
その古い人種がAIという若造に負けるはずがない、と私は本気で信じているだけの話です。AIが万能なんて勘違いしている人がいかに世の中に多いのか、と思います。若い人には、ウソつけ、と思うことでしょうが、歴史があるものは滅びないものです。
たとえば、これだけ携帯が普及しているのに固定電話がなくならない理由は、生き延びる知恵が固定電話にあるからです。あと、50年は残るでしょう。
トルコ情勢について
あまり東ヨーロッパのローカルな話はしたくないという思いがありますので、あまり語りませんが、やはり、トルコの情勢が一気に変わっています。言うまでもなく、サウジとの関係から一気にトルコの地位が国際社会で上がっています。今の割安なトルコがおそらく上昇する可能性が出てきています。
現状、ドル円やユーロドルがいくら下がろうと、そんなの関係ねー、状態ですね。反対に南アなんぞ、どうしようもない、状態です。そこらへんの新興国を解説しているブログよりはよほどましなことを言っていることはみなさんにも認識できると思います。
トルコとサウジとの関係は、そのうち以前にも話をしたようにメディアでは語られなくなるでしょうが、トルコの中東での立場は相対的に相当に上昇をしています。つまり中東や第三国世界において、トルコの地位は相当に上昇しており、すぐに暴騰するとは言いませんが、かなりセンチメントは変わります。
だからエルドアンの独裁だの、間違いだらけだの言っているとバカを見るよ、と私は言い続けたのです。トルコの戦略は緻密で、みなさんが考える以上に優秀なことを行っています。
おそらく将来的にはアメリカと対等な外交を行うと思います。そのくらいの潜在力を秘めた国だよ、と言っているのです。おそらく、バカだの、アホだの言い続けたメディアはまた、何もなかったように手のひら返しをした報道を行うのでしょう。反対にサウジは没落の一途でしょう。
何もかもアメリカの言いなりの三流国になることでしょう。日本人はサウジに幻想を抱きすぎだと思います。
ドイツについて
この辺はまだ、調べていませんが、ドイツの政情がかなり今後、不安定になる可能性が出てきています。世間はイタリーだの、ブレグジットだの騒いでいますが、その前にドイツがくるかもしれません。
イギリスはブレグジットの要諦がはっきりしたら買われるでしょうが、ユーロは今年1年、私はドイツがダメになるよ、と言い続けていると思います。
これからはフランスだよ、と言っているのですが、覚えている方はほとんどいないでしょう。つまりユーロなんぞ語っても仕方がないのです。中間選挙まではドル高が続くでしょうが、ドイツの不振が長引けばかなりの間、ドル高になる可能性も出てきています。
中国について
どの辺までFX WORKSさんで書いたかの記憶がありませんが、中国は相当、深刻な状況です。人民元安を誘導することによって、散発的に資本流出の懸念が高まっています。
そもそも上海株が金融業界のコンセンサスになっています。しかし、賃金上昇7.7パーセントに対して、企業利益が5.6パーセントなんですから、そもそも株価が上昇をするわけがないのです。意味わかりますよね?
従業員の賃金より、企業の利益のほうが少ないのであれば、会社は必然的に赤字になります。その結果、株が上昇する訳がないのに、みな楽観的すぎます。その結果、日本の経済はどうなりますか?
日本の貿易相手1位は中国ですよ。企業収益はがた減りでしょうね。株価があがる? アホ言ってんじゃないよ、と思います。
この中国の企業利益と賃金の問題は構造的な問題であり、解決には相当な時間がかかるでしょう。だから尖閣や南沙であり、レアアースのように鉄鋼、アルミなどで中国が鉄鋼、アルミで世界の主導権を握ろうとしたことに対して、トランプが待ったをかけただけの話です。
こうやってみるとオバマはこの問題を見て見ぬふりをしたアホですが、トランプは非常に優秀というのがおわかりになると思います。左ボケもいい加減にしなさいよ、ということです。
安倍さんが中国まで行って、援助を連発するのはこのためです。そもそも中国経済が崩壊したら、消費増税はパーでしょうし、みなさんの年金原資である日銀の日経買いはパーでしょうね。
みなさん「のんき」すぎると思いますけどね。この状況で株買い、円安とかほざいている連中はアホだと思います。アメリカGDPにも触れようと思いましたが、一言だけ。
来季もアメリカが好調とか言っているアホがたくさんいますが、物価や住宅が下向き傾向が鮮明になって、なんで好調とかいうのかさっぱり理解できません。何も根拠がないことを、正しい、と主張する連中にはうんざりです。そもそも、その原因が解明できている人はいません。
その原因はドル高です。だからトランプがドルの切り下げをいつ行うかに注視しなければいけないのです。現状、ユーロの状況をみればできないのはわかりきっています。
本日の相場
週末のダウの寄り前に、株価は底を打っています。安値が出たのは、安値で売る、投資家のバカの現状を私もみなさんもやったことがあるということを考えれば、下がっていく過程において、不安になってぶん投げをしただけの問題でしょう。
これはファンダメンタルズの問題ではなく、内部要因の問題です。要するにマーケットはファンダメンタルズに忠実に動きますが、内部要因は勘案していないということです。
先週は円安になると宣言したと思いますが、金利の乱高下によって、大外れでした。ただし、私の予想は事件や事故、金利、内部要因は考慮しなく出しているということを思い出してほしいと思います。
円高になっても、うまく対処ができていたとは思いますけどね。それと底や天井を打つときには、値動きは乱高下するということです。週末の日経やダウ、そしてドル円はみな、乱高下でしょ。
これは転換のときの特徴です。乱高下をしているのであれば、転換なんだな、と思っておけばいいだけです。要するに今週も乱高下したとしても、基本的に、株価主導のドル円なのですから、円安だと思っておけばよいということです。
また金利が乱高下をすれば、外れるかもしれませんが、中間選挙に向けて、円安で、その後は反落と考えています。本日の引け値予測は、111.29です。週末の安値近辺ですね。
この意味を解説するのには、スペースが足りませんので割愛です。わかっていると思いますが、値固めをしなければ、なかなか円安にはなりませんよ、ということです。
(この記事を書いた人:角野 實)