おはようございます。出てきた経済指標を見て、ひどい数字だな、とか思っています。でも、なんで円安なの?と思っている方は多数だと思いますので今朝はその解説をしたいと思います。
先ずは、経済指標の解説をして、そしてまた絶対値と相対値を使って検証をしていきたいと思います。イギリスについては、わからない、の一言。メディアはわからないからコービン云々、かんぬん言っているだけで、彼は主役ではありません。
脇役にクローズアップすることが間違いなのです。内閣不信任案が通れば主役なのでしょうが、与党が賛成に廻るとも思えません。
3日以内の修正案も通らない可能性が指摘されていますが、そんなもの年初から私は言っていますし、最初から国民投票になるよ、と言っています。結論は、離脱やーめた、になるよ、ということになると思っています。
アメリカの経済指標
■エンパイアステート指数
Econodayより
良くなる訳がない、と思っていましたが、予想以上に悪いということです。これで、今後、発表されるフィラデルフィアやISMも相関性があることからほぼ確定しています。
■卸売物価指数(PPI)
Econodayより
これは、エンパイアステートよりは悪くありません。しかし、前年比の青い線が典型的な戻り売りのチャートになります。何度も言いますが企業物価、卸売物価は為替に対して3か月遅れでやってきます。
ドルは11月まで強いのですから、卸売物価は2月からドル安によって上昇し始めることが予測されます。今回の発表は、12月のものであり、2月の数字が発表されるのは3月の中旬になりますことに注意です。
■レッドブック
相変わらず、小売指標のレッドブックは強い訳です。去年の同時期が3パーセント前後だったのに対して6.9パーセントと、消費者は絶好調になるのです。
アメリカの今後
まず、復習としてアメリカの現状です。政府 ガバメントシャットダウンの影響で、今後、政府支出がなくなることによって、大きく減退することでしょう。
企業 先行きを占めるエンパイアステートは最悪の数字、しかし企業の収益を示すPPIはまずますの数字です家計 今、絶好調だけど、来年の今頃はこれを超える数字が出るのか、ということです。
出る訳がないでしょう。ISM(企業)のピークが6月で、消費者のピークは12月にきています。つまり企業から消費者への転嫁というのはやはり6か月後にくることがわかります。
家計で書いていることが景気循環と言います。この経済指標、3主体の流れは「政府→企業→家計」とくるのですが、現在、政府はガバメントシャットダウンです。つまり、不景気になりそうなのに何もできない、と、笑うに笑えない話なのです。
だから、トランプは自分で自分のクビを締めている、と言っているのです。こうなるとドル安になって当然です。ここで、大事なことは、このドル安という表現は「絶対値」であることです。
ユーロの経済指標
■ユーロ鉱工業生産指数
やっちゃった、という感じです。さらに、きのうのドラギ発言「経済は思っているほど、強くない」との発言。絶対値は、ユーロ安です。
日本の経済指標
本日発表予定のもの
■機械受注
コンセンサスは0.4です。先月は7.6で今月は0.4の予定です。発表は11月の数字です。
■企業物価
コンセンサスは1.8で先月は2.3です。いま、絶対値では円安ですが、この機械受注やPPIが予想以上に悪い場合「絶対値」は円高になる可能性があります。
相対値で考える
上記の説明はすべて絶対値で行っています。もう、絶対値の説明をしません。いい加減にマスターしてほしいと思います。相対値で考えていきます。
たとえばユーロの鉱工業生産ですが、去年1年間ずっとプラスで推移をしていたのですが、いきなりマイナス、つまり、少しのマイナスなら、まだ許容の範囲ですが、3.3となると、これ、もう、一時的な落ち込みでは説明できません。
ですからユーロが最弱の通貨です。それに追い打ちをかけたのがドラギで「思っているほど経済は強くない」という発言です。アメリカは、企業部門は相変わらず悪いのですが、消費者は絶好調です。
何度も言うように、GDPの7割が個人消費を占めるアメリカ経済ですから、ドルは強くなる。ですから不等式で表現をすると、「ドル>ユーロ」相対的にドル高になる、ドル高だったから円安になっただけの話です。テクニカルは買いっぽいですよね。
私もテクニカルをみると円安に転換なんて思いますが(笑)、でも、ファンダメンタルズで考えると、そんなに長く続かないだろ、と思います。
なぜなら、アメリカドルというのは前にも記したように、ファンダメンタルズで動くのではないのです。トランプが金利を下げろ、とシャウトすることはドル安にしろ、というのと同義ですから、相対的にユーロ高、円高です。これが長期の視点になります。
短期では、現在、絶対値では、三極通貨が、ドル安、ユーロ安、円安になっているのが現状で、この3つの通貨のうち、相対的に通貨高の国を作りださなければ為替相場は成立しません。
この場合、日本の経済が悪くなれば円高になりますので、今朝発表の数字によって、円の絶対値が円高になれば、相対値でも円高ドル安になります。
その材料がきょうあるよ、ときのうから言っている通りです。頭、混乱しているでしょ。だから、相対値と絶対値を理解できていない人にはさっぱり意味がわからなくなるよ、と言っているのです。
参考までにアメリカ株は、高いのではないか、というご質問もいただきましたが、エンパイアステートの数字をみて買う気になる方は、何もわかっていないのです。
この数字をみて買いとか言う人は、何もわかっちゃいないのです。こんな数字でアメリカ株を買える訳がありません。ともかく、今日書いた内容というのは、自分で自分のモノにしなければ、今後に全く活用っできません。
それとも私に高い報酬を支払って、3日3晩しゃべらせますか? イヤでしょ(笑)。だったら、自分で検証を重ねて、自分のものにするほかないのです。検証もしなくて、自分のモノになりますか?
ミッキーさんには悪いことを書いてしまいましたが、自分でやるほかないのです。自分のお金でしょ、自分で守るのが当たり前です。この話の講義をしてほしいなら、私に報酬を支払うほかないのです。イヤだったら、自分でやりなさい(笑)、ということになるのです。
ありえない展開
少し、トルコの質問も出ると思いますので書いておきます。たとえば、先進国の絶対値が全部、ドル安、ユーロ安、円安なのですから相対的に新興国高になる可能性もあります。
でも、新興国の雄、中国が人民元安なのですから、その可能性はほとんどありません。つまり、トルコ高って、可能性としては少ないのです。だったら、どの通貨を高くするのかといえば、候補の筆頭が円なのであって、無理くりに円高に相対値ではなっていきますよね。
目先は戻っていますが、円安とかほざいている人は何もわかっていないのです。これが、最近ではリスク回避円高の基本的な考え方なのだろう、と思っています。
ポンドが大戻りしたのも、先進国の中では一番、景気がいいのは、以前、紹介しました。でも、今後、ますます混乱をするのですから、買いたくないですよね。
だからすぐに売られるのです。でも円高にして、日本経済も悪くなれば、だけの話です。アメリカもよいですが、ユーロも物価が上昇していますので、ユーロ高にしてほしいのです。
アメリカはドル安で経済を立て直したいのですからユーロとドルの思惑は一致しているから、ここは長期でみれば鉄板だと思います。
いくら読んでも、相対値と絶対値の違いがわかっていない人には全く理解できないだろう、と思います。だから、自分で勉強しないと、検証しないとダメだよ、と口酸っぱく言うのです。
(この記事を書いた人:角野 實)