年明けからマーケットが荒れ模様です。私からみると、あまり驚くに値しないような動きでアメリカの株式が下振れしようと、為替が円高にいこうと・・正直どうでもいいという感じです。
アメリカの利上げで一斉に皆がドル買いのポジションを取っていたので、ま、円高にいくでしょうね、と思っていましたので今の結果は当然と言えると思います。
大衆は常に損をする
「大衆は常に損をする」これは、株式相場というよりも、商品相場の格言になります。
ここで言う大衆とはみなさんのような一般投資家のことになりますが、「常に損をするもの」です。
私も現場にいて思うことは、たいていの場合素人に逆向かいしていれば相場は取れる、と考えている節があります。これは現実であって、ウソではありません。
自己勘定取引
会社のお抱えトレーダーがクビになって自分をトレードする方がたくさんいらっしゃいます。
その人達はたいてい1年から2年は儲けているのですが居なくなります。それもわかっていることなのですけどね。一番、考えなくてはいけないことは彼らが本当に優秀なディーラーであれば契約を更新されて、会社の自己ディーラーとして活躍するはずなのですが、なぜかクビになってしまうのです。
それは、優秀ではないからに他ならないのですけどね。つまり、まぐれで儲かってディーラーになっているのは一目瞭然なのですが、世間ではそういう肩書のついた方を囃す傾向にありますね。
内心、私はアホか、といつも思っています。要するに下手くそについていって儲かる術などない、ということになります。一番、彼らが1年から2年で消えてしまう理由というのは「短期取引」であること。
これは、私は何度もいいますが、そんなものは長続きしないことが要因です。二番目の要因としては社内の雰囲気というものがあるのですが、基本、儲かっているトレーダーというのは客の逆向かいしかやりません。
それを忠実にやっているトレーダーは生き残るのですが、新米はスターになろうとして変な手を打ちます。それが結果としてクビレースに参戦となるのです。
つまり、社内の生き残りのトレーダーは逆向かいで安定的に稼ぐのですが、クビになる連中は結果を焦って自滅するのです。
儲かるのは、客に逆向かいしているトレーダーのみであり、社外に出てしまうと客の動向の詳細はわからないのが原因なのです。
日本有数の仕手
私は一時期この有名な方のお話を聞く機会が100回以上あったのです。
彼の話は常に単純明快で、相場観の根本は素人がどう動いているか?が基本なのです。
昔の証券相場にしても商品相場にしても、素人の動向というのは証券新聞等を精査すれば簡単にわかったものなのです。
私も幸いに、その時代を生き抜いたうちの一人なのでチャートをみていればなんとなくわかります。
もちろん、数字の背景がありませんので、勘になりますが、だいたい思い描いていたのと実際の数字をみるとほぼ一致します。相場で儲けるためには簡単な話で素人の「ポジション」に逆向かいすればいいだけなのです。
それが不発になるとき
それが、不発になるときは、たいていは大相場なのです。つまり、何もわかっていない素人がただ買っているだけで儲かった「アベノミクス」や「日銀」の第二次緩和のときがそれになります。ですから一時的に素人に逆向かいをして損をしてもド転すれば簡単に儲かるのです。
ただ、この勘どころを一朝一夕で真似ようとしても無理ですから、真似しないようにしたほうがいいと思います。少なくても、この経験値というのはマスターするのには5年はかかるでしょうね。
FX会社のポジション動向
各社が発表しているFX会社のポジション動向などはその典型になります。
FX市場というのは基本的にはバーチャルな市場ですから、プロは呑み屋を避けるために現物市場に必ず玉を持っているものです。つまり、FX市場に玉を持っているのは、ほとんどが素人になりますので、それがポジション動向になるのです。
みなさんのほとんどはあの表の見方を、みなと同じポジションを向いている時だから大丈夫だろうなんて思うのでしょうが、みなと同じようなポジションを持っていると逆に危険なのですね。
そこから値位置とその変化等を勘案して自分のポジションを探るのです。
最近の例
ユーロ円が最安値をつけたとき、ユーロの売りが9割、買いが1割という現象を観察したのは私も記憶に新しいことです。
直近の例でいえば、新興国危機、中国、ブラジルなどの危機で、おそらく素人は今後、だんだんと「オージー」などの資源国も売りに寄っていくと思います。あまりに売り過ぎたら、どこかで大きな戻りがあると思わなくてはいけません。
つまり、新興国危機があまりにも世間の喧伝されてしまったので、そろそろヤバいよな、というのが私の本音であります。だから、今週あたりから、ドル買いになるのではないか、と思っているのです。
先週まではドル売りの一手だったのが今週当たりからほぐれるのではないか、と考えています。
つまり、今後は「ドル買い、新興国買い、円売り、ユーロ売り」になるのではないかとみているのです。ただし、大きな流れでは、「ドル買い、新興国売り、先進国買い」の流れは全くの変わっていないと思いますので中期的な視野という観点からの考察です。
(この記事を書いた人:角野 實)