今年は年初から下落が始まり、1月中旬に一度戻してたたき売られ・・ようやく買われ始めたのは1月も下旬になってからになります。
その後、日本銀行の「マイナス金利」導入後に急騰しましたが、その中身は何もないということがだんだんとマーケットに見抜かれ円高に移行しました。
世の中、全体をみると特に芸能界もそうで年初からベッキーの不倫、SMAP解散、清原逮捕・・・どうでもいいのですが、どの方々も道徳や法に触れているのが特徴になると思います。
ドル円のゆらぎは116.6近辺
何度も強調しているように、ドル円の基準値は「122.4円」です。
それに5パーセント買われた水準が「116.6円」になります。私はここが絶対的な抵抗水準と考えていますが、ここを割ったときに株式先物の新規売り増大や、プットオプションの急騰をみてどこで買いになるかを考えます。
売り物の急増は世界の「ヘッジファンド」のリスクヘッジになりますので、増大することはファンドが損失を軽くするために大量になるためです。
基本的には彼らは指値やオプションエリアが大量にあるところ目がけて売ってきますので、昨年8月の安値「116.1円」に指値を構えている方が、プロアマを通してたくさんいることはよくわかりますので、その買い板を目標に売ってくるのは間違いありません。ですから、「116.1円」を下回ることは確実と判断します。
となると・・・その下の値段的な意味合いから「116円」からナンピン買いをすればいいと想定するのです。値段はすぐに戻るだろうと。
物理学や経済学では転換点を「ゆらぎ」と呼びその間の値段形成というのは非常に不安定になります。
ゆらぎとは?
最近は経済物理学という学問が出てきて、「エコノフィジックス」と言うそうです。
これは、最近の科学のトレンドは物理学を中心に構成されていることに関係します。
地震予知、気象、生命生物、宇宙、経済、マーケットの分野に物理が進出しています。
物理とは物を理めるという意味らしいのですが、モノの成立というのは非常に単純でほとんど人間を含めた構造がフラクタルという形をしているということが最近ではわかってきています。
例えば、水を熱して100℃以上になると蒸発をして気体になりますが、この状態を科学や物理では「不均衡状態」といいます。この不均衡の状態を「ゆらぎ」と定義しているようです。私は物理や科学の専門家ではないので、この説明が正しいか否かはわかりませんが、簡単に説明するとこうなると思います。
116円近辺は不均衡状態、ゆらぎ状態になる!?
つまり、水でいえば正確にいうと99℃以上になると分子のブラウン運動が変化をして気体に変わっていきその体積や重さは小学校のときにならったボイルシャルマンの法則によって変化するという法則があります。
何がいいたいといえば、ここは強調しておきたいのですが、「現状」では116.6円以上の円高になると水が気体になる温度と一緒のようにものすごい不均衡な状態になるということになります。
すなわち、多くの「ゆらぎ」が発生して値段が乱高下をするということになります。
今回の年初からのこの乱高下は経済物理学、エコノフィジックスでいうと「不均衡状態」に突入する兆候を示し、そして現実には一瞬、不均衡状態になったということになります。
今回の原因は何?
今回の原因は中国と叫ぶ人がたくさんいますが、それは派生的な現象であって今回のこの事象はアメリカの利上げに起因をすると思います。
まず原油の価格メカニズムに関しては過去に私は説明をしましたが、株価と原油価格は相関関係にあります。つまり「株価が上がれば上がるほど原油価格が下がる」という法則を以前に説明をしました
おそらく、それでアービを組んでいたファンドはその解消に動く、派生的には天然ガスの裁定解消も行ったのでしょう。つまり、今回の下落は原油と株価の裁定解消が原因になると思います。その株価の動きと原油相場の相関関係にメスを入れたのはおそらくアメリカの利上げになると思います。
結局、この騒動を経て
アメリカ経済の1月の指標等をみてアメリカ経済自体は、相変わらず好調になります。何も特段悪くなっている兆候がありません。唯一悪くなっているのは製造業であって、これは私が再三指摘するようにドル高が根源の問題になります。
つまり、アメリカ経済が相変わらず好調とマーケットに認識されるとドル高になると思いますが、製造業との兼ね合いもあると思いますので、それほど大きく円安にはならないと思います。
本日が「雇用統計」の発表になりますが、12月という年末商戦まっさかりの新規雇用が増える時期に例年なりますのでかなり良い数字になると思います。
それをきっかけに、おそらくリスクオン相場からリスクオフ相場に転換すると思います。あくまでも予想ですので自己責任でお願いします。
こういう予想コラムは、当たっている人の意見はそろそろ外れるころという思いは常に持つことが肝要ですね。長期的にはやはり円高傾向になると思いますし、今回の円安局面がおそらく最後の円の売り場になると思っています。
また、中国がやはり国慶節前に利下げを行いました。これで材料出尽くしの通常相場に戻ると思います。個人的には、今まで言ったこととかなり説明がつかない部分がありますが、前にいったように国慶節の辺りまでは安値が出る可能性があるという考えを尊重しようと現時点では考えています。
そして再三指摘するような今度の「不均衡状態は4月か5月」です。過去のデータ分析から。
(この記事を書いた人:角野 實)