FX取引をする際は、どの通貨ペアを選択するかが重要です。というのも通貨ペアによって「ボラティリティ」が異なるからです。自分が希望するリスクとリターンのバランスを踏まえ、適切な通貨ペアを選択しましょう。
また、通貨ペアを選択する際には、複数の通貨ペアでFX取引をすることも可能です。
選択に迷った場合は複数ペアで取引をしても良いのでしょうか。それとも1つに絞った方が良いのか…。それぞれのメリット・デメリットをしっかり踏まえておきましょう。
複数ペアを選択すると…?
複数の通貨ペアを選択すると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
まず、複数ペアを選択したことによって、特定通貨のレートが急変した場合でも、資金額の変動率を抑えることができます。このメリットを享受したければ、同じ通貨を含まないペアを組み合わせることが特に有効です。
例えば、日本円/米ドルのペアと日本円/欧ユーロのペアを組み合わせた場合、日本円のレートが急変すると複数ペアを選択していてもリスク分散にはなりません。
リスクをできるだけ分散したいと考えるなら、日本円/米ドルと英ポンド/欧ユーロのように、同じ通貨を含まないペアを組み合わせてみましょう。
相場急変時のリスク分散につながる複数ペア選択ですが、デメリットもあります。複数ペアを同時に取り引きしていると、チャートへの注目度が下がってしまう点です。
リスクだけではなくチャートや関連ニュースへの注意も分散してしまい、重要なニュースなどを見逃しやすくなります。リスクを避けようとした結果、新たなリスクが生まれているとも言えます。
1つのペアに絞ると…?
では、1つの通貨ペアに絞って取引をするほうが良いのでしょうか。1つの通貨ペアに絞れば、特定の通貨について多くの知識と経験を積み重ねることができます。
ニュースや統計指標の発表などについても、比較的短時間でしっかりと情報をチェックできます。そのため、FXを始める段階では、通貨ペアは1つに絞って経験を積むのが良いでしょう。
いっぽう、通貨ペアを絞ってしまうと、レート変動が小さいレンジ相場に入った場合などに利益を上げづらくなってしまいます。
FX取引でコンスタントに利益を上げ続けたいと考えるなら、他の通貨ペアについても一定の取引をしておくと安心です。例えば、普段は好みの通貨ペアばかり取引をしておき、相場急変リスクなどを感じてポジションを解消している間に、他の通貨ペアについても動きを確認してみるとよいです。
得意なペアで確実な取引を
FX取引はレバレッジをかけて行うため、1つの判断ミスが致命傷となる可能性があります。
もちろん、短期間で大きな利益を上げられる可能性もあるので、FX取引が魅力的だとは言えます。
とはいえ、ある程度確実性のある取引をしておかないと、資金がすぐに溶けてなくなってしまいます。取引の確実性を高めるためには、経験が不可欠です。
いくら書籍などでテクニカル分析などについての知識を増やしたとしても、実際の相場が理論通り忠実に動くとは限らないからです。
そこで、特定の通貨ペアに絞って低レバレッジで取引を重ね、自分の得意ペアを作ってしまいましょう。
こうすれば取引に確実性が増し、大きな利益を狙う高レバレッジの取引につなげることができます。
目移りのしすぎに注意!
投資をしていると、経験を重ねるにつれて新たな取引がしたくなってしまうものです。新しいことにチャレンジし、利益を得るチャンスを広げること自体はとても良いことです。
ただ、取引の幅が広がるにつれて、確実性が下がってしまいます。特に、FX取引では慣れてきてレバレッジを上げた段階で確実性の低い取引をすれば、一気に大きな損失を出してしまいかねません。
通貨ペアをどんどん増やしていくのではなく、自分の得意ペアを作ってじっくりと向き合うようにしましょう。