先日、「ジョージ・ソロス」が次なる一手の準備を始めたという報道がなされています。その報道の大半はどういうポジションを構成し始めたということには一切触れてはいません。
でも、彼の過去の実績と、そして今、現状世界経済で起こっていることを比較すれば大体のポジションの想像はつくかと思います。
東南アジア通貨危機
このことは報道もあまり触れませんし、一番、私自身もその時期には金融機関に在籍をしていたのですが、何が起こっているのかはさっぱり理解できませんでした。
過去の伝聞を収集すると、東南アジア各国の通貨高が異常に高い値であったので、その正常値に戻すために「ジョージ・ソロス」がその東南アジア各国の通貨を売り浴びせたことが発端になっているということです。
この終息には、アメリカがドル安誘導したことによって、この「東南アジア通貨危機」が終息したことはあまり日本では触れられません。しかし、間違いなくドル安誘導がこの危機の収束に一役買っているというのは今、検証をしてみても間違いない事実です。
当時と今では中国の通貨安政策はほとんど変わっていませんので、アメリカがドル安に誘導するということは、中国人民元安になっているということと同義であることはほとんど一緒です。
そのドル安によって、日本やヨーロッパの不振になるというのが伊勢志摩サミットの合意だと今では私は考えています。
前回の記事で、お話したように、ドル円の今年の世界が納得する基準値は70円前後、しかし、その基準値は現実的ではないという仮定において想定するレートは106.6-107.4であろうと私は予測しています。
ドル安政策が合意されている以上、円高が今年の流れであってここで円安になるというのはよほどの自信家かアホであるということも先般も述べた通りになると思います。
考えてみてください、マーケットを知り尽くしているソロスがこのドル円の基準値とのかい離を見逃すわけがないと思いませんか?
そして「伊勢志摩サミット」で安倍首相が「リーマンショック前夜」と喝破したことは、正確にいえば「東南アジア通貨危機前夜」と解釈するとすべてのあのサミットで発言されたことに得心がいくのです。個人的には。
大英帝国ポンド戦争
これも、上記の「東南アジア通貨危機」時と同様、「ジョージ・ソロス」の代表的な戦績になりますね。あの大英帝国のポンドが高すぎるといってソロスはポンド売りを敢行し、その「中央銀行」との戦いの末勝利した相場戦争です。
現在、イギリスから離脱する云々が言われていますが、このときと状況が近似していると思います。
ではイギリスポンドは高いか否かということになります。ポンドの適正値というのはドルに対しては現状1.1くらいが適正になります。つまり過去数年間にわたってポンドは高すぎる状態が続いたのです。
この一つの理由として比較対象のユーロ圏経済がまるでダメなので相対的に高くなったともいえますし、アメリカもリーマン直後は債務危機に陥りました。
そのうえ、「金融緩和」も素早く実施して去年などはアメリカが先かイギリスが先かと言われたほどの金利引き上げ競争が行われたのです。
現在の想定レートはポンドドル1.43くらいが適正値と見ますが、これはドル円と同様、通常のマーケットの推移の適正値のマックスの値になります。つまり、ポンドドルも1.1まで下げても「ファンダメンタルズ」の条件からいえば、経済には逆らった動きではないのです。
ソロスの動き
上記の説明をみてジョージ・ソロスがどのようなポジションをとっているかは大体の想像がつくと思います。ソロスが暴れてマーケットをかき乱すとすれば現状、この2カ国を攻めてくるとは個人的には思います。
円は安すぎますし、ポンドは高すぎます。しかし、直近のソロスの発言内容をみる限り、メインのターゲットは日本か中国であろうな、とは思います。
日本と中国はやっていることがめちゃくちゃと欧米人の目には映って当たり前だと思います。となると、今度の戦略はだいたい固まると思いますよね。
(この記事を書いた人:角野 實)